二年生になり、クラス替えをした。大勢いる人垣をかきわけくぐり、やっと掲示板へとたどり着く。フムフム。わたしはB組ね。知り合いいるかな・・・。あ、アヤちゃんがいる。良かったー知り合いいて。クラスメイトの確認をしていて、気になる名前を見つけた。


「み、みどりま......マタロー?」
「……シンタロウ、なのだよ」


わたしのあたりが急に暗くなる。それが影だと気づくのに少し時間がかかった。っていうかわたし今話しかけられた?後ろから。たしか――…


「シンタロウ、なのだよ?」と言いながら振り返るとそこには「でかっ!!!」大男がいた。この人垣から頭一つ分飛び出ている大男。…誰だろこの人。大男はメガネをくいっと上げて不機嫌そうにため息をついた。なんでわたしがため息をつかれなくちゃいけないんだ。


「…呼び捨てとはいい度胸だな」


ヤダナー、こめかみに血管浮き出てる怖ーい。シンタロウ(多分)さんは呼び捨てされたことにひどく怒っているようだ。


「きさまの「ぶっはっはっはっはっは!!」「うるさいのだよ高尾」


シンタロウ(多分)さんの隣にいる男子がシンタロウ(多分)さんの言葉を遮り、腹を抱えて笑いだした。「マタロー!マタローって!!」とヒーヒー言っている。わたしに言わせてみれば、この人もいい度胸してる。高尾と呼ばれた人のおかげなのか、シンタロウ(多分)さんの怒りは鎮まったようだ、わたしは胸をなでおろした。


「ミドリマシンタロウって読むんだよ。身長195cm体重79kg、7月7日のB型」
「なぜ俺の自己紹介をする、高尾」
「良いじゃん、真ちゃんシャイなんだし」
「シャイではない」
「俺は高尾和成。よろしくね」
「小松ミホ。こちらこそよろしくね。高尾くん、マタロー」
「…シンタロウ、なのだよ」
「わざとです、わざと」


マタローに冗談は通用しないらしい。


「もう二度とマタローとは呼ぶな」
「はいはいわかりましたよ、マタロー」
「・・・・・・」
「ギャハハハハハ!!!」


第一印象は最悪 だった。

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