「いやー緑間ってすごい幸運の持ち主だよね」
「何がだ」
「誕生日おめでとー!」


わたしがぱちぱちと拍手をしながら言うと、緑間は一度わけがわからないという顔をして、すぐにそういうことか、と納得した。今日は七夕。そして、緑間の誕生日。


「小松に誕生日なんて教えたか?」
「えっ覚えてないの!?」
「俺は言った覚えはないのだよ」


まー確かに緑間は自分の誕生日をわたしに言ったりはしてないけど、さ。覚えてくれててもいいじゃんね。


「初めて会った日に高尾が言ってたんだよ」
「そうだったか?」


腕を組んでうーんと唸りながら考える緑間が面白くて、わたしがぷっと吹き出すと緑間は眉間に皺を寄せた。相変わらず沸点が低いなぁ。


「なんかほしい物ある?」
「誕生日プレゼントはサプライズじゃないのか?」
「もしプレゼント買って、それが気に入らない物だったらいやじゃん」
「・・・別に小松からもらって嫌なものはないのだよ」
「えーどうかなぁ」


だって緑間神経質そうだし。
って口にしたら絶対怒られるから言わない。


「どっちにしろほしい物とか、気に入ったのがいいじゃん
「そうだな」
「だから今度の休みデートしようよ」
「わかった」
「ほしい物考えておいてね」
「ああ」


まだ友達感覚が抜けないわたしたちだけど、着実に大人になっている。だんだんと恋人らしくなっていればいい。今はまだ、友達っぽくても。そのうちきっと、自然に恋人繋ぎができるようになるから。


「お洒落してきてよね」
「無理だ」
「じゃあわたしが緑間の服選ぶ!」
「もういっそ小松が俺に着せたい服を誕生日プレゼントにすればいいのだよ」
「その手があったか」

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