三年生に、なりました。


「えっと、わたしのクラスはーっと」
「ミホちゃん!また一緒のクラスだよ!」
「本当!?やったー!」


えっと、どれどれ。他に誰がいるのかなーっと。


「み、みどりま…」
「マタローじゃないのだよ」
「!」


急にわたしとアヤちゃんのあたりが暗くなる。それが影だと気がつくのに少し時間がかかった。だけど声の主だけはすぐに分かった。


「緑間!」
「マタローとは呼ばないんだな」
「何、呼んでほしいの?」
「呼ぶな」
「アヤちゃん!また俺と一緒のクラスだよ!」
「また四人そろったね!」
「楽しい一年になりそう」


目の端で高尾とアヤちゃんがいちゃいちゃしているのが見える。誰にも気づかれないように手を伸ばす緑間は実は可愛い奴だと思っている。


「また一年間よろしくね、マタロー」
「…シンタロウ、なのだよ」


嬉しそうに緑間が笑うもんだから、つられてわたしも笑った。



「あ!真ちゃんと小松が手ぇつないでる!」
「うそうそどこどこ!?」
「そこ!うるさいのだよ」
「あははは」



焦って手を離さなくてもいいじゃないか、マタロー。いや、緑間真太郎。

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