君をわすれじ
あとがき
 

※一 赤斑瘡(あかもがさ)…今で言う麻しん(はしか)。現在は予防接種で防ぐことができるが当時は感染すれば確実に死に至る病だった。

※二 御はて…四十九日の最後に行う法要。


【あとがき】
はじめまして。今回素敵なアンソロジーに参加させていただきました、月城鈴乃と申します。
今回私は「叶わぬ願い」という題で執筆させていただきました。本当はこのお題で恋物語を書いていたのですが、少し考えるところがありましてこのようなお話を書かせていただきました。
正直書き直したことにより首を絞めることになりましたし、あまりこういった日常(?)話を書いたことがございませんでしたので、ひいひい言いながら書いておりました(Mではございませn)。
ですが自分としては満足な構図になったと思います(あくまで構図のみ←)


叶わぬ願い=死者に会いたい。これは近親者や大好きな方を亡くしてしまった人の多くが考えてしまうことなのではないかなと思います。
今回主人公の季惟は、最愛の妻を亡くしてしまい引きこもり、死にたい等と考えてしまうになります。
親しい人や大好きだった人にに先立たれる悲しみは、そういった方を亡くした人にしかわからないと思います。さらに亡くした親しい方を亡くしたことがある方であっても、他人の痛みは完全には理解できません。
ですが一方で、娘である姫は母の死を受け入れ、明日に目を向けています。とは言うものの、姫が悲しくないわけありません。作中に出てくる赤斑瘡(あかもがさ)は注釈にありますように今で言う麻疹です。この時代ですから、恐らく肺炎等の合併症もおこしていたと思います。
麻しんは空気感染しますので、母である雪花は極力他人と接触しないようにしていました。娘である姫とは御簾越しですら会おうとしません。なので、姫は雪花を看取ることが出来ませんでした。


女房達に雪花が亡くなったと言われても、しばらく理解できていなかったと思います。ですが野辺送り(今で言う葬式)の際に見た母の姿にようやく死んだのだと理解し、悲しんだと思います。ですが泣いていて雪花が還ってくるわけでもありませんし、父の状況が状況でした。さらに四十九日の話を聞き、いつまでも泣いていられないと考えたのでしょう。
父と違いしっかりした娘ですよ本当…(笑)

この時代の方はすぐ出家したいとかなんとか言っております。ですが季惟はワンランク上のこと言ってますね。さあみんなで殴りましょu


最終的に季惟も立ち直り明日に目を向けるようになりましたし、いつか姫や家臣と雪花の思い出話ができるようになればいいなあと思います。
大好きだった人が亡くなってしまい、悲しいのは当たり前です。立ち直れない方も居るのではないかと思います。ですがちょっとずつのでいいので立ち直らないと亡くなった方も心配なされるのではないかな、なんて←

ちなみに、最後に姫に四十九日のお話をした方は、姫の本名と共に皆さんのご想像にお任せします(それでいいのか)


それでは長々と書きましたが、これにて失礼致します。ここまで読んでいただき、誠にありがとうございました。最後に、主催者であらせられる亜月様を筆頭に参加者の皆様、素敵な企画をありがとうございました。

あなかしこ。

二〇一二年 九月某日 月城鈴乃



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