魔法のクッキー
1周年&200万打企画
『強面乙女の初恋』でSSをば…
。゜+.゜*。゜.+゜。*゜。゜+.゜*。゜.+゜。*゜
この初恋に
永久の愛を添えて
朝からなかなか進まなかった時計の針が、もうそろそろ時間だよって教えてくれた。
ふと、テーブルの上の箱を見て、ほわりと笑ってしまう。
(仁さん、喜んでくれるかな?)
そんな事を考えてたらチャイムの音がして、一気に顔が熱くなった。
大きく深呼吸して玄関に向かう。
今日はバレンタインデー。
恋する人達のメインイベントなんだ。
お父さんとお母さんは夕方からデートなんだって。
もちろん、僕も仁さんと一緒に過ごすよ!
「こんにちは、仁さっ…うわぁ、クマさんだぁ!」
ドキドキしながらドアを開けたら、仁さんじゃなくて大きなクマさんが待っていた。
たぶん、僕よりちょっと小さいくらいのサイズ。
可愛いと喜んでいると、クマさんの顔の横から仁さんが顔を出した。
そこでやっと、仁さんがクマさんを抱っこしていた事に気付く。
「よぉ、ヤマト。驚いたか?」
「うん!クマさんがお茶会に来てくれたのかと思った」
「くく、なんだよ、その可愛い反応」
片手でクマを抱えた仁さんは、もう片方の手で、僕の頭を撫でてくれる。
その感触にうっとりしてたら、仁さんがクマさんを差し出した。
僕はクマさんが潰れちゃわないように、でも愛情を込めてギュッてしたの。
「仁さん、このクマさんどうしたの?」
「今日はバレンタインだろ?だから、ヤマトにやろうと思ってな」
「え、バレンタインデーなのに?僕がもらっていいの?」
仁さんの言葉に首を傾げると、仁さんが片手で顔を覆ったの。
そして、鞠ちゃんから聞いた話を僕に教えてくれた。
「ヤマトは夢見る乙女だから、バレンタインデーは西洋式じゃなきゃならないとか言ってたんだよ。男から女にやるってやつ」
「鞠ちゃんのイタズラだ…だって、僕が好きな人に手作りチョコあげるのに憧れてるって知ってるはずなのに」
「やられた…」
だから鞠ちゃん、昨日はご機嫌だったんだ。
もう、イタズラっ子なんだから。
「まぁ、俺としてはヤマトが喜べばどっちでも良いんだがな」
「ぼ、僕だって…」
ほっぺが凄く熱くて、逆上せちゃいそう。
仁さんが好きすぎて、こんなになっちゃう僕はおかしいのかな?
でも、仁さんなら、こんな僕でも好きって言ってくれると思うの。
「仁さん、僕も仁さんにプレゼントがあるの。もらってくれる?」
「ヤマトがくれるなら、断るわけねぇよ」
そう言って頬に口付けた仁さんに、僕は誰よりも愛を込めたクッキーとチョコを捧げた。
あの日、僕らを繋いでくれたお菓子に仁さんも気付いてくれて、お返しはいちごのモンブランだと微笑んでくれる。
僕は、こんな幸せな時間がずっとずっと続けば良いなぁって思った。
そんな、幸せな日のお話。
end
小夏様、ありがとうございますー!ヤマトくん、かわいいよヤマトくん!仁さんもなんて溺愛っぷり…!ごちそう様です!!!メールでもお話させていただきましたが、ヤマト君はもう絶対にくまちゃんと一緒じゃないと眠れないでしょう。仁さんが嫉妬して取り上げようとして、えぐえぐ泣かれちゃって慌てて返すもヤマトを抱き寄せながら
『…クマじゃなくて俺を抱いて眠ればいい』
何て言われて同棲開始っと。大学生編に続く。まじかwww
すみません、妄想がダダ漏れました。
企画のご参加いただきましてありがとうございました!これからもはるうららをどうぞよろしくお願いいたします!
[ 43/44 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]