3
「晴海先輩の匂いがする。」
ズキュン
まさに撃ち抜かれた。
へにゃりと笑み崩れた顔。
うっすらピンクに染まった頬。
晴海のジャージに頬を寄せているその光景に、声がして振り向いた晴海の、最後まで耐えていた細い理性の糸がプツリと切れた。
1歩、また1歩と紫音に近づき、後少しで触れられる所まで来た時……
ガラリ
無情にも扉が開いた。
「あ?」
「あれ?しーちゃん??」
「!?……お、俺行ってくる!!」
其処にいたのは、克也と梨音の2人で。
それを認識して、晴海は現実に引き戻され、2人が来たのとは別の扉から出て行った。
後に残されたのは、訝しげに扉を睨む克也と、頭にハテナが浮かぶ梨音、頬はまだピンクだか同じくハテナが浮かんでいる紫音で。
その後、梨音に心配されたり、克也に仲間がいない理由を聞かれたり、着替えたりと紫音は忙しかったそうな。
教室から出て行った晴海は、
走っていた。
それはもう全力で。
子猫を片腕に抱きながら。
目的地もなく、まっすぐ、廊下を走っていた。
(何あれ!!あんな無防備に笑われて、俺のジャージに……あぁ、もう!!)
「可愛すぎるんだけど!!!」
余談だが、晴海がたまり場に戻ってきたのは、出て行ってから2時間後だったとか。
END.
(=・ω・=)ミャー ←
依織様、ありがとうございます!紫音ちゃん…!紫音ちゃああああん!読みながら心で大声で叫びましたがなにか!もう、もうかわいすぎでしょ…!晴海はあのジャージ、もう絶対洗わないでしょうね。そんでもって着替えるたびに大変なことになってそうです。克也がそれを見て、残念な子を見るような目で見ながらそっと新品のジャージを渡してそうだ(笑)子猫ちゃんに翻弄されまくりの晴海、最高です。
上の顔文字は…紫音と判断してよろしいですか?wwそれとも、紫音の拾った子猫かな(#^.^#)
企画にご参加いただきましてありがとうございました!これからもはるうららをどうぞよろしくお願いいたします!
[ 40/44 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]