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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -




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850万ヒットキリリク、花田さまからのリクエストで
シリーズのべる内にあります
腐男子だって恋をする
の続編です。

リクエストくださった花田さまにお詫びがございます。
実は、フォームメールから頂いたご意見やメール内容は全て自分の携帯にメールが来るようにしていたのですが、私の携帯が保護しない限り3ヶ月前のものは勝手に消去する設定になっておりまして…リクエスト内容ですが、覚えていたからよかったものの細かい指定を確認することができませんでした。
ですので、もしリクエストしたものと違っている箇所があればご連絡ください、すぐに書き直させていただきます。

間違いがなければよいのですが…本当に申し訳ありません。

が、頑張りました(汗
ではどうぞ♪

※18禁要素が入ります。苦手なかた、未成年のかたはご遠慮ください。
また、今回視点が変わります。


――――――――――

「…どうして…」
「あ?なにがだよ。お前がヤらせねえからだろ?」
「…俺、俺は…」
「…チッ、」

苦々しい顔をした彼は、舌打ちをひとつして背中を向けて歩き出した。
引き止めたいのに、振り払われたらと思うととても怖くて。

次第にぼやける視界の中、離れていく彼の背中はとても遠くに感じて…
彼の中で自分の価値はそれほどもなかったのだといつまでもその場に立ち尽くした…。



「…っあああああ!ばかあああああ!」
「うるさい」
「ぎゃん!」

じたばたじたばたからだ全体をばたつかせてさけべば、机の方から分厚い辞書が飛んできた。
寸分の狂いなく俺の側頭部にヒットしたそれは『ゴツッ』と言う見た目を裏切らない音を立てて床に落ちた。

「ひどいぃ〜!ひどいよ晴彦ちゃん!バカになっちゃったらどうしてくれるの!」
「それ以上はならんだろう。逆によくなるかもな」
「辛辣!相変わらずのブリザードで身も心も凍っちゃう!」
「さぞや醜い氷像だろうな」
「ひどい!」

俺に本を投げつけた相手、野原晴彦(のはらはるひこ・一応親友)は全く悪びれることなくむしろ俺が悪いと言うオーラを全面に出してクールな顔で冷たく言いはなつ。
いつものことなんだけど、ほんと氷の貴公子ね。
はじめましての皆様もおひさしぶりの皆様もこんにちは。俺、安田千里(やすだちさと)17才。花の男子高校生です。

「だって!だってだって、晴彦ちゃん!可哀想すぎるよ、ひどすぎるよ!なにこの切ないスレ違い!」

俺はベッドの上でがばりと起き上がり、今しがたまで読んでいた本をばしばしと叩いた。

「攻めくんたら、ひどすぎる!てか言葉が足らないアンド意地っ張りすぎる!受けくんは男同士とか初めてだし色々不安なんだから!怖がってるんだから!ちゃんと言葉と態度で示してあげないとなんだからー!」
「やかましい」
「ぎゃん!」

興奮しすぎて最後の方は思わず絶叫してしまえば、再び俺の顔面めがけて二冊目の辞書が飛びジャストミートする。

ひどいぃ〜とめそめそ泣けばうんざりするようにため息をつかれた。

「そんなの、ただのフィクションだろうが。それにそれは悲恋が嫌いなお前が口コミやレビューなんかを見て吟味して、ハピエンなのを確認してから買った本だろうが。結末がわかっていながらその過程でそこまで必死になるお前がわからん」
「なにこの子、そんなこといっちゃったらお話にならないでしょ!シナリオライターのくせにストーリー台無しにするようなこといわないで!」

晴彦は、高校生ながらに携帯やパソコン向けの恋愛ゲームを作っている。そのシナリオはとても心理描写や進み方が繊細で人の心を掴むのだと絶大な人気を誇る。
なのに、当の作者本人はとても冷たい。血じゃなくてオイルが通っているんだと俺は信じている。

「…ああ、あれか。受けの心情に今の自分をリンクさせちまったか?」
「…っ!」

ものすごい意地悪などや顔で痛いところを突かれた俺はいつものように咄嗟にちょけて言い返すことができずに息を飲んでしまった。
そばにあった抱き枕を引き寄せてぎゅっと抱き締める。

「普段、男同士のエロを餌に生きてるくせにな」
「そ、それとこれとは違うもん!」
「『もん』とかつけるな、キショイ。かわいくない」
「かわいさなんか求めてないけど一応傷つくからね!?」

会話からお分かりだろうが、俺は腐男子である。男同士のいちゃいちゃらぶらぶちゅっちゅが大好きだ。
俺の通うこの学園は、全寮制の男子校だ。なんともテンプレなBL学園と言っても過言ではないほどに、男同士の恋愛が蔓延している。
腐男子である俺にとってここは楽園、パラダイス。美形がファンクラブやら親衛隊やらなんやらできゃーきゃー言われるこの学園で、俺は平凡で地味で全くそんなフラグなんて関係ナッシング。

な、はずだったんだけど、イレギュラーが起きた。

俺の同室の、やたら顔の綺麗な男。高見沢。
そいつと、まあ、色々あってお付き合いすることになった。
高見沢は、腐男子である俺を理解して一緒にいてくれる。だけど、時々萌えウォッチングをしてさっきのように興奮してうはうは叫んでる俺を見るとそれと全く同じことを俺にしようとする。
曰く、例え趣味だろうと他の男を見て騒ぐのは気分がよくない。
つまり、嫉妬するんだと拗ねた顔で言われ不覚にも超萌えた。

それを聞いて真っ赤になった俺を見て、満足そうに笑って『かわいい』とキスをされて…

…そんならぶらぶな俺達だが、実はまだ体を繋げたことがない。
そういう雰囲気になったことはある。だが、肝心な所で俺がはぐらかしたのだ。

それも、1度や2度ではない。だけど、高見沢はなにも言わない。
そんな高見沢にひどいことをしている自覚はあってもそれをやめることができない。はぐらかすたびに、自己嫌悪がひどくなる。
このままじゃあ、いつか高見沢に愛想を尽かされるかも…。

そんな葛藤にぐるぐると悩む俺は、最近読む本で受けくんと攻めくんのスレ違いなんかを見ると、いつも以上に感情移入して叫んで晴彦に鉄拳制裁をくらう、の繰り返しなのである。

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