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9

「綾小路、待ってろよ。水入れてくるから」

ベッドに俺を寝かせて、そっと頭をなでて離れようとする小暮の手を掴んで見上げると、小暮は優しく微笑んでそのまま俺の寝ているベッドに腰掛けた。

「小暮…、行かないで」
「…綾小路。でも、」
「水は、いい…。そばにいてほしい」

まだ薬の抜けきらない、力の入らない手に必死に力を籠めれば小暮が俺の掴んでいる手の上にそっと反対側の手を乗せて手の甲を優しく撫でてくれた。

「うん、わかった。ここにいるよ。…大丈夫か?」

俺を心配するその口調はいつも通りとても優しくて、慈愛に満ちていて、俺の胸がぎゅっとなってじわりと目が熱くなった。

「小暮…、あい、してるよ。お前が、俺の幸せを望んでくれる限り俺はお前の傍にいる…」
「…綾小路」

小暮は、俺の幸せを願う自分を信じているんだと言った。それは俺に対する愛を信じているという事。全力で俺への愛を信じてくれる小暮は、俺を信頼しているわけじゃないと言ったけれどそうは思わなかった。

俺への愛を信じてくれている、それほどに愛されていることが信頼でないわけがない。

いつもバカな事ばかりして小暮を困らせたり泣かせたりするこんな俺へ全てをかけて愛と信頼をくれる小暮を…
改めて愛しいと、自分がいかに幸せ者なのかを感じた。

小暮に、幸せの涙を流させられるのは何回目だろう。俺は小暮に悲しい涙を流させることの方が多かったけど、これから先はずっとずっと、オレと同じ涙を俺が流させることができればいい。

どちらからともなく目を閉じて近づき、そっとお互いの唇を重ねた。


「ん…、ん、」

幾度も幾度もついばむように角度を変えながらキスをし、小暮の服の裾からそっと手を忍ばせてわき腹を上へ下へと撫でる。力が入らないからフェザータッチのように触れることしかできないけれど、それがくすぐったいのかもどかしいのか小暮は鼻から抜けるような甘い声を出して体を少しよじらせた。

「綾小路…」

とろんと溶けた、うるんだ目を見れば小暮の体にも火が灯ったのがよくわかる。俺の体も、熱くなって自分からオスのフェロモンが出ているのがよくわかる。

「…小暮…、ごめんな。まだあまり力が入らなくて、お前の服ちゃんと脱がせてやれないんだ…」

下になったままに眉を下げて言えば、小暮は真っ赤になって下を向いた。それでも、おずおずと自分の服に手をかけて戸惑いながらボタンをはずしてシャツの前をくつろげた。

俺の上にまたがって自分でシャツをはだけさせるという行為はいわゆる羞恥プレイになるんだろうか。恥ずかしそうに唇を噛んで視線をそらしている小暮に下腹のあたりに熱がたまる。

「な…、お願い。そのまま、俺の顔の方に胸、持ってきて…」
「…!」
「小暮のかわいい乳首、可愛がってやりたいけど体を起こせないんだ。お願い」

何を、とでも言いたげに目を丸くした小暮の俺にまたがるその足の太ももをなでると、小さく体を震わせて自分の指を軽く噛んだ。それからほんの少しの時間の後、小暮が覚悟を決めたのかゆっくりと俺に覆いかぶさってきた。

「あ…っ」

待ってましたとばかりに目の前に持ってこられたかわいい乳首を舌を突き出して、くに、といじる。一瞬体を引いたけど、すぐに震えながら俺の目の前に自分の乳首を持ってくる小暮。

舌先でチロチロと弾くように舐め、ぷくりと固くなってきた乳首を上下左右に舐め弾く。時折逃げを打って引く体を戻し、なんども俺の口元に自分で乳首を持ってくるのはおねだりをされているようでひどく扇情的だ。俺に倒れ込まないように、俺の顔の横につけてある腕がかくかくと震えている。

「あ...、あ!」

両腕をそっと背中に回して、少し力を入れて引き寄せて乳首を口に含んでやれば我慢できなくなったのか小暮が突っ張っていた腕をがくんと崩し、そのまま俺の頭を抱え込んだ。

「ん、んっ、あ、あん、あっ、あ、」

口にくわえた乳首を、甘噛みし、口の中で吸いながら舌で転がす。先を舌先でくじって、反対の乳首も手を回して人差し指で押しつぶすようにして揉む。そのまま円を描くように転がして押し込んで、親指と中指でつまみあげてねじりながら人差し指で先をいじる。

執拗に乳首に愛撫を繰り返してやれば、小暮は跨がって俺に押しつけている自分の腰をよじり動かし擦り付けていた。
布越しに、押しつけられている股間が堅く熱くなっているのがわかる。俺の肉棒もさっきから小暮に煽られっぱなしで固くなって、小暮が腰を動かすから互いの肉棒がごりごりとこすれあって気持ちがいい。

「ん、ちゅぱっ、
小暮、気持ちいいの?気持ちよくて、チンコ自分で俺のにこすりつけてごりごりしちゃうの?」
「ん…っ、あ、あ…」

乳首を舐めながらわざとイヤらしいことを言ってやれば、真っ赤になって涙を浮かべながらいやいやと子供のように頭を振った。

「もしそうなら嬉しいよ…。ね、小暮。俺、動けないから…自分でもっと気持ちいいことして…?」

耳を軽くかじり、囁くように煽れば小暮は体をぶるりと震わせて唇をかんだ。
やがて覚悟したかのように俺に押しつけていた腰を、今度ははっきりとした意志を持って動かす。

「あ…、あ、あ、」
「気持ちいい?小暮。腰めっちゃ動いてる。すげえ、こすれ合って俺も超気持ちいい…」

ぐっと尻たぶを掴んで揉めば、小暮の眉が一層切なそうに歪む。閉じていた目を開けて俺を見つめると、小暮は恥ずかしそうに一度視線をそらしてからまた俺を見つめ…何とそのまま軽く小暮自らキスをしてきた。
ちゅ、ちゅ、と小鳥がついばむようなキスを幾度も繰り返し、それがかわいくてかわいくてされるがままにしていれば下腹のあたりで何やらごそごそと動く気配がした。何事かとちら、と目を下げれば小暮が俺にキスを繰り返しながら俺のズボンのベルトを外していた。

ジイ、とファスナーを下げる音がして、ちんこが少し外気を感じて、ああ、小暮が俺のちんこを取り出したんだと思った次の瞬間に、小暮は顔を下に下げ、俺のちんこをパクリとくわえた。



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