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4

「待って、リュディガー!、リュディ…」
「だまれ」

低く、ただ一言でロルフの動きの全てを止めたリュディガーは庭から連れ帰るとすぐに押し込んだ寝室のベッドの上でロルフの腕を拘束した。上に持ち上げられてベッドにくくりつけられ、驚きで目を見開くロルフは何とか外そうと暴れる。

「大人しくするんだ…。全く、ブルーノに聞いていた通りだったとはな…。まさかお前が、逃げ出そうとしているとは夢にも思わなかった」
「…!ちが、」
「何が違う?現にお前は正門を抜けようとしていたではないか。どこに帰るつもりだった?お前のいるべき場所はここ以外にないというのに…」

すう、と頬を撫でるリュディガーの目には深い悲しみが浮かんでいる。
傷つけてしまった。そんなつもりじゃない。あなたの傍から逃げたかったわけじゃない。

「式の直前に、花嫁は突然何もかもが嫌になって逃げることがあるとブルーノから聞いた。まさか、お前がそうだとは思いもしなかった」
「リュディガー、」
「忙しくずっと相手をしてやれなかったからか?だが心配するな。今からお前の中に我が子種をたっぷりと注ぎ込んでやる。逃げたくなる気持ちなど無くなる原因があれば、もうバカな心配に身を焦がされることはないだろう…?」
「…!」

驚きに目を見開いて、言葉を失った。
今まで、散々抱かれていた時に出されていた物には生殖機能のない子種だった。だが、リュディガーは今からその機能の付いた子種を自分の中に注ぐという。

意識して子種を分けることのできるリュディガーやロルフたちモンスターは、生殖機能の付いた子種を注がれれば確実に子を生す。

リュディガーの、子供。

どれほど、それを望んでいたか。だけど、今は。今は、それが恐ろしくて受け止めることができない。

がくがくと震えて緩く首を振るロルフに、リュディガーがその美しい顔を悲痛に歪める。いらだたしく舌打ちをしたかと思うとロルフの顎をつかんで深く口づけた。

「ん、う…!っ、んぅ、む…っ、んぁ、あ…っ、」

言葉を発する余裕も与えてもらえないほどに激しく咥内を舌でなぶられ、頭がぼんやりとしてしまう。きちんと話をしたくていやいやと首を振れば抵抗されたのかと勘違いをしたリュディガーがますます激しく吸い上げ貪るように舌を絡めだした。

「んん…っ、リュ、ディガー…っ、ん、あ!」
「ロルフ…逃がしはせぬ。逃がしてやれぬ。わが愛をその身に受け止めろ。お前が私を変えたのだ。私の全てはお前の物。私をお前なしではいられぬようにお前がしたように、お前も私なしではいられぬようにしてやる」
「ひ…っ!」

ぐっ!と服の上から自身をわしづかみにされ、思わず上ずった声が喉から出た。そのまま強弱をつけて揉めば、リュディガーの手の中にあるロルフ自身が少しづつ硬度を増していくのがわかる。いやいやと子供がするように頭を振るも、その頬が羞恥と快楽に赤くなるのを見るとリュディガーは目を細めますます手の動きを淫らにしていった。

「ひ、んん、や、…っ、ぁ、あ、やあ…!」

服の上から、形を確かめる様に指全体でなぞりあげ、下にある玉を手のひらで包むように揉み、かと思えば浮き上がった竿を掴み全体で擦りあげる。繰り返される陰茎への愛撫にロルフ自身はすっかり勃ちあがり、ズボンには卑猥なシミがにじんでいた。

「いや…、リュディガー、やだ…!あ、あん、っ、」
「嘘をつくな。お前のここは与えられる快感に喜んで涙を流しているではないか」
「ひっ、や、ああ!」

シミの滲む濡れたペニスの先をズボン越しにツメ先でなじられ、ロルフの腰がびくびくと跳ねる。

「ほら…もっと出てきたぞ」

一点のみを集中して苛められ、足の先から脳天まで痺れる様な快感が突き抜ける。リュディガーの指先がズボン越しにペニスの先をいじるたびにくちくちといやらしい粘着質な音がペニスから聞こえ、ロルフは体を震わせながら止まらない嬌声と共にいやらしく体を捩る。どう逃げようともリュディガーは決して指先をペニスから離さず、ただ指先でそこばかりをひたすら弄った。

「やー…っ、あっ、あっ、んん…っ、!も、やだ、…っ、は、ぁん、…っ、!ひぅうっ、ィ、あ、ア…!」

足先まで痺れるような快感にもかかわらず、そこだけの刺激では決してイケない。もどかしくて狂おしい快感に、ロルフは涙と涎を流しその口からひっきりなしに甘い声を出してがくがくと震えた。

ズボンの前は自分の垂らしたいやらしい液でびしょびしょで、それにより滑りのよくなった指先はますますロルフのペニスをいじめだす。先だけをいじくっていた指先で、今度はそのいじっていた尿道口の辺りを中心に指の腹でくるくると撫ではじめた。

「いや、いや、やあ…!あーっ、あー…!」

ぎしぎしとベッドがきしむほどに体を上へ下へと跳ねさせ、快感から逃れようと体を捩る。広げられた足は魚のようにびくんびくんと幾度も跳ね上がった。

イキたいのに、イケない。

延々と続く生殺しの天国にロルフは真っ赤な顔をして息を荒げ、もはや喘ぎ声しか発せなくなっていた。

どれくらい経っただろうか、ようやくリュディガーがその指先を離した時にはロルフの体はびくびくとひとりでに痙攣を起こしまるで絶頂の余韻に浸っているときのように既に意識は朦朧としていた。


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