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※人外受けです。そして、ガチムチ親父受けです!苦手な方はご遠慮ください。

美形年下×ガチムチ強面(人間×鬼)


攻め…甲田雄志(こうだ ゆうし)
受け…ゴウキ

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「誰だし。」


玄関を開けたら、見たことがない大男が立っていました。


おかしいな。ここは俺の家で合ってるよな。玄関を出て表札を何度も何度も確かめる。

「ふはは、ここは貴様の家で間違いないぞ、甲田雄志(こうだ ゆうし)よ!」

その大男は腰に手をやり、ふんぞり返って大声で俺の名を呼んだ。

「じゃあさいなら。俺が帰ってくるまでに出てってくださいね。」
「あっ、ちょ、まっ…!―――――ぎゃっ!」

めんどくさいので放置してしばらくしてから戻ってこようと扉を閉めると、どたん!という大きな音がしてヒキガエルみたいな声がした。何事かともう一度扉を開ける。
するとさっきの大男が両手で顔を押さえてひんひん泣いていた。思わずじっと見てると、俺に気が付いた大男が慌てて顔を両手で擦り、がばりと立ち上がった。

「よ、よく戻ってきたな、甲田雄志よ!これから殺されるとも知らずにバカな奴だ!」
「え?俺殺されるの?」

先ほどと同じようにふんぞり返ってそう言う大男にきょとんとして聞き返す。

「そうだ!この俺様が貴様の命を貰い受けに来た!さあ、観念しろ!」
「…ふーん。よいしょっと。」

俺は横にある傘立てからビニール傘を一本取りだし、大男に向かって先を向けて構えてやった。

「なななな、なにを、何をする…!?」
「いや、一応抵抗、みたいな?おっさんさ、殺すつもりで来たならもちろん返り討ちに合って自分が殺されるかもしれないってこと覚悟してきてるよなあ?」
「…!!」

傘を突き付けてそう言うと、大男はつり目がちな大きな目をきょろきょろとさまよわせた。なんかね。初めは知らないガタイのごつい厳つい大男が立ってたわけだからめちゃビビったわけですよ。でもね、さっき扉を閉めてから物音がしたじゃん?開けて見た時の様子からして、恐らくこけたんじゃないかと思うんだよね。それで顔を覆ってひんひん泣いてる姿なんて見ちゃってからそんなこと言われたって嘘くさいっつうかなんつうか。
ほんとに手練れだったら困るけど、何となくこんなことしたらビビるんじゃないかって思ったわけで。

わざと無表情になって傘を突き付けながらずい、と一歩近づくと、大男はうるうるとその目を潤ませた。

「ひ、ひっく、す、すみません、ごめんなさい!こ、殺さないでええ」

やはりというかなんというか。それだけなのにその男は途端にその場に土下座をしてぶるぶると震えていた。


「落ち着いた?」
「はい、すみません。ありがとうございます」

マグカップを手にソファに座りながらぺこぺこと何度も頭を下げる大男。先ほど泣き出したと思ったら少しも泣き止もうとせず『殺さないで、許して』とばかり繰り返すので落ち着かせるために仕方なしに部屋の中へと招き連れコーヒーを淹れてやった。
一口飲んで落ち着いたのか、ほっとした様子でしきりに俺に頭を下げる。なんだかなあ、さっきとえらい違いだなあ。

「それで?何だったんですか、さっきの」
「あ、実はですね。私、鬼でして…。名前をゴウキと言います、よろしくお願いいたします。」

ぺこぺこと頭を下げる男を、ぽかんとして見ていると証拠をお見せしましょうかと頭を差し出してきた。
…本当だ。角だ。角がある。

「ほら、牙もすごいでしょ?」

いー、っと歯を見せるゴウキの言うとおり、その歯は人間のものではなかった。

「それで?鬼が何しに俺の命を奪いにきたの」
「…実はですね。鬼にも昇格するのに試験がございまして。その内容が『どれだけ人間に恐れられるか』なんです。」

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