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※このお話は、リクエスト小説で人気のあった『青い鳥』シリーズに出てくる原口の弟のお話です。
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俺の名前は原口晴哉。全寮制の男子校に通う一年生だ。俺には同じ学校に通う兄ちゃんが一人いる。兄ちゃんと俺は昔から鳥が大好きで、家でもいつも小鳥を飼っていた。この学校に入って、大きな鳥小屋があるって知って大喜び。
兄ちゃんと一緒に飼育係になって、毎日小鳥の世話ができて幸せ!

だけど、兄ちゃんについ最近、恋人ができた。
この学校の生徒会長の、伊集院崇さん。すっごくイケメンで、俺様な伊集院さんは俺と兄ちゃんが兄弟だってことを知らなくて俺にやきもちを妬いて兄ちゃんと揉めたことがあった。俺もほっぺた叩かれちゃって、痛かったけど兄弟だって知ってからちゃんと謝ってくれて今では俺とも仲良くしてくれる。

ただ、兄ちゃんがこの飼育小屋に伊集院さんがいるときは俺に入らせてくれないし近寄らせてくれないんだよね。まあ、もともと兄ちゃんと同じ時間に一緒に世話をしてたわけじゃないし今じゃ目の前でいちゃつかれるのも困るから構わないんだけどね。

俺と兄ちゃんははっきり言ってちっとも似てない。平凡な容姿の兄ちゃんに比べて、俺は美人のかあさんに似て女顔だってよく言われる。この学校に来てからももちろんそういう告白は幾度か受けたことがあるんだけど、今んとこ鳥の事で頭がいっぱいだから特にお付き合いしてる人はいない。


でもね、兄ちゃんと伊集院さんを見てると、正直ちょっとうらやましい。

「いいなあ…」

今も教室から、二人仲良く飼育小屋に向かう兄ちゃんたちを見つけて思わずため息をついた。

「おい」

後ろから声を掛けられて振り向くと、同じクラスの北島拓斗が眉間にしわを寄せて立っていた。北島は背が高くて、目が切れ長で黒髪の短髪。ワイルドな男って感じで結構人気のある男だ。

「掃除の邪魔。とっとと帰れ」

北島は最近、何かって言うと俺に絡んでくる。しかも、意地悪なことばっか言ってくるんだ。今もほら、俺を睨んでわざと舌打ちした。

「…残ってるの俺だけじゃないじゃん…」
「あ?てめえが一番邪魔なんだよ。てめえの後ろに掃除用具の入ったロッカーがあるんだよ、わかったらとっととどけ」

なんで北島はいつもこんなに俺にきつく当たるんだろう。俺はきゅっと唇を噛んで北島の方を見ずに席を立って教室から出て行った。


「あ〜あ、嫌んなるなあ」

とぼとぼ廊下を歩きながらため息をつく。北島とはあんまりしゃべった事がなかった。声を掛けてきたのは向こうからだ。でも、その時の言葉もひどかった。あれは俺が伊集院さんにほっぺたを叩かれた次の日だったっけ。

『おい、それどうした』

赤く腫れた俺の頬を見て、怪訝な顔をして聞いてきたんだ。初めて話しかけられて、思わずきょとんと見上げると北島はちっ、と舌打ちをした。

『あ、うん。ちょっと喧嘩…?』

まさか生徒会長がやきもち妬いてひっぱたきました、なんて言えるわけなくて言葉を濁すと北島は眉間のしわを深くした。

『はん、痴話喧嘩か。大人しそうな顔して意外に軟派なんだな』
『な…!』

違う!と文句を言おうとしたところでチャイムが鳴って、北島はさっさと自分の席に行ってしまった。それからというもの、ことあるごとにちくちくと嫌味を言って絡んでくるようになったのだ。

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