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チビに首ったけ!

※バンビ番外に登場しました、ちびこぐこと小池鉄二と会長の弟、一颯のお話です。


ほのぼの目指します!
―――――――――――

俺は綾小路一颯、15才。綾小路家と言う大きな会社を持つ裕福な家に生まれた。
遊び人だが優秀な兄が1人と、双子のクソ生意気な弟が1人。

こないだの春休み、兄貴が恋人を連れて帰ってきた。相手は強面で兄貴より身長が高い。
正直趣味悪!と思ったんだが、あの遊び人だった兄貴が別人のように大事にしていてびっくりした。

実際小暮さんは見た目に反してすごくいい人で。兄貴への反発心もあって無理やり手を出そうとしたんだけど、それを止めた奴がいた。


小池鉄二、二才。


小暮さんによく似た、強面ちびである。


「いーぶー!てちゅ、ちーたよー!」


俺が小暮さんに手を出すのを止めてくれたこのちびは、春休み後もちょくちょく遊びに来るようになった。
てか、来るように頼んでる。
この舌っ足らずなちびがかわいくてかわいくて!クソ生意気な弟しか知らない俺は、新しく弟ができたみたいでうれしくて仕方ない。

今日もお気に入りのかえるのぬいぐるみを抱いて、鉄二がちょこちょこと車から駆け降りてきた。両手を広げて、受け止める。

「てつー!元気だったかあー!」

抱き上げてぐりぐりと頬擦りすると、隣から心底うんざりしたため息が聞こえてきた。

「ばかじゃないの。先週も会ったじゃん」

けっ。と俺にばかにした笑いを向けるのが、クソ生意気な弟の春乃。女の子のようなかわいらしい容姿とは裏腹に、かなりの性悪だ。

「るっせえなあ。一週間も空いてたら熱だしたりとかあるかもしれねえだろ!」
「ばか」
「性悪!」

鉄二を抱きながら春乃と言い合いをするのもいつものこと。そして

「てちゅ、かちゅらぱぱとこ行く〜」

するりと俺から下りて、兄貴のところに行くのも、いつものこと。


「お前等なあ、休みの度に呼び出すのやめろよな。せっかく小暮と二人まったりいちゃいちゃしようとしてたのに」

ぶつぶつ文句を言う兄貴がムカついてしょうがない。どうせ休みじゃなくても二人でいちゃいちゃしてるくせに!

兄貴に抱かれて嬉しそうな鉄二を見てむっとした。結局兄貴には適わないなんてくやしい。なんだよ。兄貴より俺の方が可愛がってやってんのに。

「あっそ、そりゃ悪うござんしたね〜」


ぷいっとそっぽを向いてすたすたと屋敷の中に先に入る。
鉄二が慌てて兄貴から下りて、俺を追いかけてきた。

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