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わんこ×ツンデレ強気
(美形×男前)

攻め…春日謙信(かすが けんしん)
受け…上杉成親(うえすぎ なりちか)

大阪弁カップルです!
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「あ」

隣に座ってた春日が急に変な声出して天井を見上げた。そんでそのままぽけっと口開けて上見とる。なんや?

「どないしたん」
「いや、あそこ。虫おるなあと思って」

あそこ、と春日が指さす方向見たら確かに。蛾や。いつの間に部屋ん中に入ってきたんやろうか。

「ちょ、気付いたんやったらなんとかせえや。」
「はいよ」

立ち上がって新聞紙丸めたんを持って春日がよいしょ、て立ち上がる。俺はと言うと二人並んでたソファにじっと膝を抱えてしゃがんだまま春日の行動をじっと見守ってる。春日が新聞紙で軽く蛾をちょん、てつついた瞬間。
蛾は案の定飛んでなんとこちらに向かってきやがった。

「ぎゃ―――――――!!!」

ソファで丸まってた俺は超パニック。飛び上って走って春日に飛びついた。

「いややいややいやや!蛾飛んだ!飛んだやないか春日のボケぇ!ぎゃー!こっちくるー!」

部屋中を飛び回る蛾に俺は春日によじ登るがごとくぎゅうぎゅうしがみついた。そんな俺を抱いたまま、春日はベランダの扉を開けて蛾をしっしっと逃がす。外に出て行ったのを確認してから扉を閉めて、俺も外に出た蛾を見てふう、と安心して息を吐いた。…と同時に、自分が何をしてるのかに気が付いた。

「上杉〜」

目の前に、死ぬほどにやけとる春日の顔。クッソ!なんじゃその顔!恥ずかしくて悔しくて急いで離れようとすると、春日が離さん、とでもいうようにぎゅうと背中に腕を回しておれをがっちりホールドしてきた。なんやねん!

「ちょ、離せや!」
「上杉君はあ〜んな小さい虫さんがこわいんやね〜。お〜よちよち、もう大丈夫でちゅよ〜」

クッソ、ムカつく!だから何も言わんとソファで知らん顔してたのに!

「うっさいわ!もう大丈夫なんやったらええやろ、離せ!」
「あ、蛾あそこにももう一匹」
「ぎゃあああ!!どこ、どこ!」

腕を思い切りつっぱって逃げようとしたら春日が俺の後ろを見て指さした。俺は咄嗟に叫んでまた春日にしがみつく。

「んも〜!上杉ったら積極的やねんから!」
「ちゃうやろが!ちょ、はよう!蛾おるんやったら何とかしてくれや!」

俺が虫苦手なんはもうわかったやろうが!認めるからはよどっかやってくれ、と言うと春日はにっこにこ笑いながら俺をひょいと抱き上げて寝室へ向かった。

「もしもし、春日君?」
「いやあ、蛾をどっかやるよりは俺らが蛾のおらんとこに行ったらええやん?蛾の事なんか忘れるくらい気持ちええことしたるから気にすんなって」
「あ、あほー!誰がそんなん頼んでん!ちょ、そんなん頼んでないから、蛾をなんとかし…、あっ、どこさわっ、あほ、やめえ!あっ、やぁー!」

寝室にまんまと連れ込んで、春日はええからええからなんて言いながら暴れる俺を好き勝手に弄り倒した。

「な、虫の事なんかすっ飛んだやろ。」

次の日、にっこにこ笑いながら隣で俺の髪を撫でる春日をじろりと睨む。

「おかげさんでな。せやけどまだ部屋ん中おるんちゃうんか。」

あいつをどうにかせんことには結局意味ないやろが!と怒ると、え〜、と口をとがらせた。


俺に抱きつくかわいい上杉見たいから逃がしたくない、なんてほざく春日を真っ赤になりながらどついたった。



虫なんかおらんでもな、お前がしてほしいんやったらいつでも抱きついたるわい、ボケが!


end

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