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12

「俺、今まで女しか好きになったことなかったけど、郁斗と会ってきれいな郁斗に惹かれたんだと思ってた。
郁斗を見て、かわいいって思った。行動や、言動が。
…でも、違ったんだ。俺がそう思う全ては、どこかお前に似ている所だった。
郁斗は、女みたいにきれいだから好きになってもおかしくない。そう思って、予防線を知らずに張ってたんだと思う。」


聡の言葉一つ一つに、体が歓喜しているのがわかる。信じられない。信じたい。ぐるぐる、頭がまわる。


「お前が男とホテル街にいたって聞いて、ものすごく腹が立った。お前も、男が好きなんだって。何で俺に何にも言ってくれなかったんだって。
でも、腹が立ったのもお前が好きだからだったんだ。情けないけど、郁斗に言われるまで気付かなかった…」
「砂森くんが…?」
「ああ、あいつにさっき『誰の代わりにしてるんだ』って言われて。
俺は、郁斗をお前の代わりにしてたんだよ。
最低だよな、俺。」



聡が僕の頬を撫でる。その手が、その目がとてもとても優しくて。
涙が一筋流れ落ちる。


「…透。ひどいことしてごめん。今更かもしれないし、許してもらえないかもしれないけど…
お前が好きなんだ。恋人に、なってほしい。」


ぼろぼろと、涙があとからあとから溢れ出す。

「夢じゃない…?目が、覚めたら、消えてなくなっちゃったり、してない?」
「夢なんかじゃないよ。目が覚めても、何度でも言うよ。
透が好きだ。」
「…っ、さ、とし、さとし、さと…っ…、ぼく、僕も、聡が好きだ…」



嗚咽を漏らす僕を、聡は優しく抱きしめてくれた。

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