×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -




6

「…っ、あ……」


輝の言葉を聞いた途端、ぶわっと一気に顔に熱が集まり真っ赤になっているのが自分でもわかった。俺はうろうろと視線をさまよわせた後、震える手で自分の顔を覆う。


「………妬い、た………?
…、あ…?お、おれ、やきもち、妬いた、んだ…」


なんで。どうして。ぐるぐる、自分の出した答えに混乱していると、輝が俺をぎゅうと抱きしめた。


「よーたっ…!嬉しい!よーた、よーたも俺が好きなんだ…!」


先ほどまでの泣きそうな顔を一転満面の笑顔で俺を抱きしめる輝に、ますます顔を赤くした。ちゅ、ちゅ、と顔中にキスをしながら輝は本当にうれしそうに笑って俺を抱きしめている。


俺も、輝が、好き。


「…そっか…。」

側にいなくなって悲しかったのも。夜に裸で抱きしめられてどこか胸が苦しかったのも。女の子とキスをしているところを見てやきもち妬いたのも。


…信じてもらえなかったと思って悲しかったのも。側に、いさせてくれなくて悲しかったのも。


「俺、お前が好きなんだ…」
「…っ!よーた!俺も好きだ!」


自分の気持ちを認めてしまえば、こんなにも簡単に納得いくもの。
俺を抱きしめる輝の背中に、そっと手を回して抱きしめ返した。



「俺、あの時キスしてないよ。されそうになったけど、慌てて避けた。だって、ファーストキスはよーたじゃないとイヤだからね!」


しっぽがあれば確実に千切れんばかりに振っているであろう。長年の想いを俺にぶちまけた輝はいつも見る総長としての威厳はどこへやら、昔のように犬っころみたいな屈託のない笑顔で俺を抱きしめる。

輝いわく、クールな総長を演じるのはいいものの少しでもセックスアピールをして俺に意識してもらうために毎晩わざと裸で俺を抱きしめて眠ったんだそうで。
毎朝自宅に必ず帰っていたのは、アピールしたはいいがなんの変化もない俺に対して輝は毎朝俺の寝顔を見てそれこそえらいことになってるために無理やりコトに及んでしまいそうになる前に自分を落ち着けるために帰っていたらしい。


「無理矢理とか、そんなのよくないし。やっぱ、気持ちが通じ合って愛し合わないと…」


というわけだから、気持ちの通じ合った今ならいいよね?


にこりと女ならイチコロで落ちるであろう笑みと共に、俺は輝にぱくりと食べられてしまった。

[ 405/459 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]


top