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11

早く、早く!あと30秒で時間になっちゃう!

わき目もふらず必死に走り続ける。階段だって二段飛ばし、心臓がバクバクいってるけど気にしない!

ばん!

扉を開けると同時にアラームが鳴り響く。

「ざんねーん!時間切れ〜!たいっちゃんの負け〜!」
「と、扉は開けたじゃないですかぁ〜!おまけしてよぉ〜」

大勢の不良を従え、王者のようにフェンスにもたれるそーちょーがにやりと笑う。そして、ゆっくりと俺に近づき腰を引き寄せた。

「残念だな、アウトだ。」
「や、ん…!」

顎を捕まれたかと思うと深く深く口づけられた。

あれから、そーちょーはチームの皆に俺のことを恋人としてきちんと紹介してくれた。皆そーちょーの気持ちを知ってたらしく、
『やっとですか!』
とか口々にやんややんやと騒ぎ立てた。

副そーちょーはにやにやと俺に近づき、耳元でこっそりと
『たいっちゃん、あいつキチクでゼツリンだから気をつけなよ。』
と言って栄養ドリンクと円座布団をくれた。

キチクってなに?とそーちょーに聞くと、

「お前を愛してるってことだ」

と返されて真っ赤になって、

「じゃあ俺もキチクだね!」

と言うと副そーちょーがお腹を抱えて爆笑してた。

それから、例のゲームはまだ続いてる。でも、内容はちょっと違う。実は恋人になってからというもの、そーちょーが皆のいる前でもところ構わず体をまさぐるし、べろちゅうをしてくるから副そーちょーやチームの皆が見てるって言うのに俺はすぐ感じちゃってへろへろになっちゃうんだ。それがすごく恥ずかしくて、
『皆の前ではやめてください』
ってお願いしたら、そーちょーはにやりと笑って
『ゲームだ。購買から五分以内に戻ってこれたら軽いキス一回で許してやる。そのかわり時間切れになったら俺の好きなだけ好きなようにさせること。』
と提案してきた。

そんなぁ!と真っ赤になって抗議しようにも副そーちょーはやれやれとうるさいし、何より俺はそーちょーにめろめろだから要件を飲んじゃった。


「ん、くぅ…!ふ、ぁ…」

そんで、今日も負けちゃってそーちょーは今俺のズボンに手を入れて直にお尻をまさぐりながらずっとべろちゅうをしてる。

「いやあ、たいっちゃんはほんとえろいよね〜!普段はぽやんとしてる平凡くんなのにこの豹変ぶりがたまんないよね」

ごちそうさまです、と皆が頭を下げる。うう、そんな褒め言葉いらないよう!

「ふぇ…、そーちょー、やだぁ…」

恥ずかしさが限界にきて俺が泣き出すとようやくそーちょーは俺を解放してくれる。そしてちゅ、と軽く頬にキスをすると俺を抱き上げて屋上の出口へ向かう。

「アツ、後は頼んだ」
「りょーかいー」

俺はそーちょーの首にしがみついたままちろりと目をそーちょーに向ける。

「昼休みは短いからな、口でイかせてやるよ」
「ふにゃ…」

耳元で囁かれ真っ赤になって変な声が出た。

「可愛い奴」


明日も明後日も、ずっとずっと俺とそーちょーのゲームは続く。毎日負けてばっかりだけど、愛されてるからほんとは俺の勝ちかなぁ?


end
→あとがき

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