×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -




8

そーちょーは俺を抱き上げたまま屋上から出ると、学校近くのとても高級そうなマンションに連れて行った。とある部屋にたどり着くと鍵を開けて中に入る。
さっき入る前に表札を見たら、そーちょーの名前が書いてあった。…っていうことは、ここ、そーちょーの家だよね…。

俺はドキドキしながらそーちょーにしがみついていると、そーちょーは奥の寝室に向かい俺を大きなベッドにそっと下ろした。そしてそのまま俺の上に覆いかぶさってくる。

「そ、そーちょー?なな、なんで、ここ、どこ?なにしてんの?」
「ここは俺の家だ。そして今からお前を抱くために服を脱がしてる」
「だっ…!?」

なになに、どして!?なんでそーちょーは俺を抱こうとしてんの?てか、抱くってあれだよね、せせせ、せっくすってやつだよね?

いわれた言葉をぐるぐる頭で考えているとすぽーんと下着とズボンがはぎ取られた。

「ふぎゃー!」

慌てて両手で股間を隠そうとすると、そーちょーに阻まれた。

「こら、隠すな」
「やだやだやだあ!だって、だって…!」

離してぇ、と泣きべそをかきながらお願いしてもそーちょーは離すどころか片手で俺の両手を掴んで頭の上で押さえつけた。

「やだぁ、み、ない、でぇ…!…っく、…、ふぇ…」

じっと見つめられて恥ずかしさのあまりポロポロと涙をこぼすと、そーちょーが俺の涙をなめた。

「…太一郎。嫌がるな。逃げようとするな。俺が好きなんだろう?」

優しく諭すように言われて、そーちょーをじっと見つめる。
…ああ、そうか。性欲処理、ってやつなのかな。さっき副そーちょーが『頑張れ』ってのは、性欲処理の相手を頑張れってことか。
俺なら、そーちょーが好きだから何されても嫌がらないって思ったんだろうな。

「…わか、り、ました。おれ、そーちょーが好きだから。性欲処理でもなんでも、使ってくださ…、いて!」

最後まで言う前にそーちょーにびしりとチョップをされた。

「なんでそうなる。お前俺がさっき屋上で言ったこと聞いてたか?」

屋上で、言ってたこと…?

「…あとはたのんだ」
「ちげえ」

思いついた答えを口にすると心底残念な子を見る目を向けられた。ひどいやそーちょー!
それでもわからなくてうんうん考えていると、そーちょーが大きなため息を一つ吐いて俺の頬を優しく撫でた。

「…お前が好きだ、と言ったんだ」
「え…」

そーちょーの言葉を聞いてきょとんとするとそーちょーはふ、と優しく目を細めて俺の目元に口づけた。

「…太一郎。俺は初めからずっとずっとお前に夢中だった。でも、わざと気のないそぶりをしてた。お前に、俺の事しか考えられなくなってほしかったからだ」

ちゅ、ちゅ、と軽い口づけを繰り返しながら聞かされる言葉はまるでなにか別の世界のお話を聞かされているようで。俺は口づけを受けながら悪い魔法使いに魔法をかけられちゃってるんだったらどうしようなんて考えた。

「お前が、俺に好きと言うのが500回になったら。俺はお前に本当の事を伝えるつもりだった。待ち遠しかったぜ?そしてさっきお前が屋上で俺に言った『好き』でちょうど500回だ。だから俺もお前に本当の事を伝えたんだ」

そーちょー、ほんとに?ほんとに俺の事、好きになってくれたの?

「う…」

嬉しいのと夢なんじゃないかって気持ちとでぽろぽろと涙がこぼれてくる。そーちょーはそんな俺の涙をなめとって、にやりと男臭い笑みを向けた。

ひゃああ!くらくらします!ふぇ、ふぇろもんがいっぱいいっぱいです!

「俺を本気にさせたのはお前だ。もうどんだけ嫌がっても離してなんかやらねえからな?」


覚悟しろよ?


その言葉を合図に、そーちょーは俺に噛みつくようにキスをした。

[ 395/459 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]


top