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45万ヒットの方のリクエストで、『『俺の青い鳥』で北島くんのヘタレエピソード』です。
前回、晴哉に想いを告げた北島君。宣言通り晴哉を全力で落とせたでしょうか…?


頑張ります!
ではどうぞ♪
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俺は北島拓斗(きたじま たくと)。全寮制の高校に通うごく普通の男子生徒だ。いや、ごく普通と言うのはちょっと語弊がある。何故なら、俺はただ今恋をして相手を落とそうと猛アタックしている真っ最中だからだ。



…同じクラスの、男子生徒に。



俺が惚れているそいつの名前は原口晴哉(はらぐち はるや)。背が少し低め、だが女のようなかわいらしい顔をしているちょっとお子ちゃまな高校生だ。
俺が原口と出会ったのはこのクラスになって初めて。小さくて女顔の原口は、クラスで早々にクラスメイトのちょっと粋がった奴らに囲まれて散々からかわれてた。

「なあなあ、お前めっちゃ女みたいだよな〜。」
「ほんとほんと。来る学校間違えたんじゃねえの?」

にやにやと笑いながら原口を囲む奴らを心底くだらないと思った。恐らく原口を気に入って、何とか構ってもらえるようにとからかうことで気を惹こうとしてるんだろう。

ばからしい。小学生かよ。

当の原口は無言で下を向いていた。しつこくからむそいつらにイラついて立ち上がって側まで行く。

「おい、やめろ」
「あ?な、なんだよ。」

声を掛けられ、振り返って俺を見た奴らがちょっと怯む。それもそうだ。俺は高校一年ながら身長は180を超えていたし、クラブのおかげでほどよく筋肉がついていわゆる細マッチョだ。

「どうにもならないことで人をからかうなんざ最低の人間のすることだ。大方そいつに気にかけてもらいたいんだろうが逆効果だぞ。」

俺の言葉に、原口をからかっていたやつらが真っ赤になって悔しそうに唇を噛んだ。
その時だ。

「やった―――――!!カップリング成功だ――――!!」

今まで下を向いていた原口が大声を上げてよっしゃーとガッツポーズをした。
カップリング?何の話だ?

クラス中の奴らが何事かと原口に注目する。もちろん、俺も例外ではない。じっと見ていると、自分を見つめる視線に気づいたのか原口が俺に目を向けかちりと視線が合わさった。

「なあなあ、『ことりんぐ』って知ってる?」

なんじゃそら。こてん、と首を傾げる原口につられてこちらも首を傾げる。

「あのね、たまぼっちみたいな携帯ゲームで小鳥を育てるゲームなんだけど、カップリングがやっと成功して卵を産んだんだよね!三回目にしてやっとだよー」

やったね、とにこにこ笑い、にーちゃんに見せてこよー!と教室をぱたぱたと出て行った原口をぽかんと見送った。

なんだあいつは。

からかわれて落ち込んでるのかと思ったら、ずっと携帯ゲームに必死で周りなんて見えてなかったってことか。


変な奴。


それが、第一印象。

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