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そんなことが30分くらい続けられて、俺はズルズルとその場に崩れ落ちた。
初めに俺を殴った奴が、しゃがみこんで倒れた俺の前髪をつかみ顔を無理やりあげさせた。

「俺らはなあ、前からずっとてめえが気に入らなかったんだよ。喧嘩だって強いわけでもない、ただののほほんとした平凡な野郎がベタベタ総長にひっつき回りやがって。」
「総長だってずっとてめえがうっとおしかったんだよ。お情けで下っ端にしてやったクソみてえな野郎に毎日毎日『好き』だの『膝に乗せろ』だのバカじゃねえのか?」
「総長だけじゃねえ、チームの皆初めからてめえのことなんざ認めてなかったんだよ。だから集会も抗争もてめえにだけ誰も伝えようとしなかったんだよ」
「いつか袋にしてやろうと思ってたんだよ。ちょうどよかったぜ、たまたま抗争に巻き込まれたってことにできる。これに懲りたら二度と総長に近付かねえんだな」

げらげらと笑いながら仲間だったはずの奴らからの暴行は、俺が気を失うまで続けられた。


次の日、俺は顔も体も青あざだらけで腫れ上がり、ひどいもんだった。
それでも、軋む体を鞭打って学校に向かう。


そーちょーに、最後のお別れをするために。


教室につくとクラスの皆が俺を見て大丈夫かと声をかけてきた。それに階段から激しく落ちたと言い訳をして昼休みを待つ。
ゲームを言い訳に最後にしようと考えたからだ。

昼休み、いつものように屋上へ向かう。扉を開けて中に入ると、いつものメンバーがそこにいて、中には昨日俺をリンチした奴らもニヤニヤしながらこっちを見ていた。

「なに、たいっちゃん!どしたのその顔!」

俺の顔を見た副そーちょーが、驚いて駆け寄ってくる。

「昨日、マンションの階段から落ちちゃったんですよぅ〜、超怖かったんすから〜!」


クラスの奴らと同じ言い訳をすると、納得行かないのか高木さんがいぶかしげな顔をした。
そーちょーも、離れた場所からじっと俺を見ている。…何だか怒ってるように見えるのは気のせいだろうか?

「…たいっちゃん、それは落ちたような怪我じゃ…」
「それよりっ!購買の皆さん、買ってくる品物言ってください!今日こそは負けませんよ〜」

おー!と元気よく手を挙げる俺を、そーちょーはやはり無言でじっと見ていた。

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