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その後、本当に汗をかいたのが効いたのか聖はすっかり熱が下がり完全回復。恵人とたっぷり愛し合ったため肌もつやつや、すこぶるご機嫌で朝を迎えた。
反対に、やはりと言うかなんというか今度は恵人が高熱で寝込む羽目に。
「精子に風邪のウイルスが入ってたのかなあ。ごめんね、恵人。」
冗談に聞こえない言葉を吐いて恵人の額に口づける。
「…聖さん、げほっ…、ごめんなさい。」
せっかく元気になったのに、妻である自分が体調を崩してしまうなんて。
妻失格だ、と涙を浮かべる恵人に聖は優しくキスをする。
「何言ってるんだ。妻が倒れた時は、夫が看病するものだ。お互い、助け合うのが夫婦だろう?」
だから今日は俺にうんと甘えなさい、と優しく微笑む聖に、恵人はじんと胸が熱くなった。
「聖さん、大好き。」
熱で潤んだ目で言われて、聖は切れそうになる理性を必死にかき集めた。
そして台所では、今度は聖があのエプロンをつけて愛する妻のために雑炊を作っていた。
「今度は俺が裸エプロンをしようかな?」
「…やめてください…」
end
→あとがき
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