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青空様リクエストの『先生(男前)×不良、切甘』です!青空様は二度目のキリ番、ありがとうございます!

おかげさまで20万打!それにふさわしいお話になるように頑張ります!
ではどうぞ♪
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青い空、白い煙がゆらゆらと立ち上る。煙の元凶である少年はまた一口煙草を吸うとゆっくりと空に向かって煙を吐き出した。

だんだんだん!

「っ、やべ!」

突如自分のいる屋上の扉を強く叩かれ、慌てて煙草を消し、その吸殻をフェンスの向こうに投げる。と同時に、屋上に扉が勢いよく開けられた。

「こぉらあぁ、笹山〜!今お前タバコ吸ってただろ〜!?」
「やだなー、センセ。気のせいっすよ。ほら、なんも持ってないっしょ?」

ほらほら、とポケットの中身をひっくり返して万歳をして見せる。そんな生徒にずかずかと近づき、ごつんと頭にゲンコツを落とした。

「いてえ!暴力反対!」

殴られた頭を押さえて涙目で抗議するのは笹山冬威(ささやま とうい)。金髪にピアス、制服を着崩しいつも問題を起こすいわゆる不良と呼ばれる類だ。

「ばっかやろうが!そんなタバコの匂いぷんぷんさせといて何が何も持ってないだ!しかもお前、屋上は生徒立ち入り禁止だって何度言えばわかるんだ!」

笹山を怒って見下ろすのは、神崎多紀(かんざき たき)。笹山の通う男子校の数学教師で、笹山の担任だ。神崎はいつも問題ばかり起こす笹山に振り回され、うんざりといった感じで笹山を注意する。

「お前なあ、いつになったらちゃんと言うこと聞いてくれるんだ…先生は悲しいぞ?」
「だぁから、わーるかったってばあー!見逃してよ、俺と神崎ちゃんの仲じゃーん!」

はあ、とため息をこぼす神崎に、へらへらと笑って肩を叩く笹山。神崎はそんな笹山をじろりと睨んだ。

「誰が誰とどんな仲だってんだ。いつもいつも人を振り回しやがって!お前は問題を起こす生徒で、俺はその指導をする教師だ!それ以外何の関係があるってんだばかたれ!」
「すきあり!」

仁王立ちで怒る神崎の横をすり抜け、笹山は屋上の扉をくぐる。階段を降りる前に、くるりと振り返り神崎に向かってウインクをした。

「犬猿の仲、なーんちゃって!これからは気を付けるよ〜ん!ばいびー!」
「あっ、おい!」

引き止めようとする神崎に手を振り、階段を駆け下りて笹山は誰もいない中庭に向かった。
息が切れるまで、全力疾走をする。体力の限界まで走り、荒い息のまま中庭の草むらに倒れこんだ。大の字で寝転んで、ゆっくりと息を整える。そっと手をあげ、神崎に殴られた頭をひと撫でした。

「…へへっ、触ってもらっちった…」

神崎の手を思い出し、ふにゃりと顔を緩める。

笹山は、神崎が好きだった。

神崎は、一年前にこの学園に赴任してきた。とても爽やかなイケメンで、学園中が皆神崎に頬を染めた。
『今日から君たちの担任だ、よろしく。』
そう言ってにこりと微笑む神崎に、笹山は生まれて初めて胸が締め付けられるという思いを味わった。初めて感じるこの感情に、笹山は戸惑いを隠せなかった。妹の部屋で暇つぶしに読んだことのある少女漫画に載っていた。

初恋。

「うっそだろおぉ…」

自覚した途端、真っ赤になってそ頭を抱えてその場にしゃがみ込んでしまった。それでも、気付いてしまったからには仕方がない。元々あまり思い悩むことの少ない笹山は、開き直った。好きなんだもの、仕方ない。告白をして、振られたならすっきりさっぱり諦めよう。そう思って鼻息荒く登校した。

「おはよ、せんせ!あのさ、話があんだけど!」
「おお、笹山。ちょうどよかった。俺も話があるんだ、放課後指導室にこい」

にこりと微笑みかけられ、胸がぎゅっとなる。うう、やっぱり好きだあ。先生から話があるならちょうどいい。その時に俺の気持ちも聞いてもらって、すっぱりケリを着けよう!
その日の放課後、笹山は意気揚々と指導室に向かった。

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