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「うっ、……ひ、ぐ、…あぁ、――――あぁ、ん!」
なぜだ。なぜこうなってしまった。今俺のケツにはずっぽりと奴のイチモツが埋められ、ぬっこぬっこと出し入れされている。俺の口からはひっきりなしに甘い声が溢れ、奴はとても、それはそれは嬉しそうに俺の喘ぎを聞いてうっとりとしてさらに激しく揺さぶりだした。
「いやァ、いやああぁ、あんっ、あっ、いく…!」
「俺も、イくよ…!ふ…っ!」
ズン!とひときわ高く強く突き上げられ、俺は白濁を吐き出した。がくりと、体の力が抜けベッドにぐたりと四肢を投げ出す。もう指一本だって動かない。意識がうっすらと薄れていく。
「ああ、俺だ。花嫁を連れて帰る。」
意識が途切れる直前に、そんな声を聞いた気がした。こいつ、結婚するんだ…。ちきしょう、結婚前の火遊びかよ。
「…よ、ごされちゃった…。も、お婿に、いけない…」
意識を朦朧とさせながらえぐえぐと泣いた俺に、奴が鼻血を噴き出しながらキスをしたところで完全に意識が途絶えた。
「ここはどこだ」
目が覚めると俺は見知らぬ部屋のベッドの中にいた。内装からいってさっきのホテルではない。きょとりと横を向くと、超絶美形のどアップが飛び込んできた。
「ぎゃ―――――!!」
跳ね上がって離れようとした俺を、がしりと白い指が捕まえた。
「離せ!離してくれ―――――!おかーさーん!」
そいつはじたばたと暴れる俺をいとも簡単に引き寄せると、その旨にすっぽりと抱きこんでしまった。
「目が覚めたんだね、my sweet。『話せ』だって?いいとも、話してあげよう。ここはね、アメリカにある俺の家だよ。どうしても君に俺の生まれ育った国を見てほしくて、連れてきちゃった☆」
てへ、と笑いながらウインクするそいつにめまいがした。『はなせ』違いだろうが!!
ていうか、待て待て、今こいつなんつった!?「俺の家」?アメリカだと!?
「あ、あんた誰なんだよ!なんで俺をこんなとこに連れてきた!」
「俺はアルベルトって言うんだ。日本に観光に来てたんだけど、その途中で君に会って。君からの愛の告白にやられちゃった♪」
愛の告白なんかしてないから――――!
「あ、おなかすいてない?今何か食べ物持ってくるね。」
ちゅっと軽くキスをして鼻歌を歌いながら部屋を出て行った。なんだ。どうしてこうなってしまった。俺は一人残された部屋で痛むケツを撫でさすりながら頭を抱えた。
それから数日。俺は結局いまだにコイツの家とやらに監禁されている。いや、外に出ては見たんだが見た事も無い街並みに言葉も通じない。着の身着のまま拉致されたので金なんか一銭もない。仕方なくしばらく大人しくしていることに決めた。いつか日本に帰ってやる!と企みながら。
だが、数日過ごすうちにちょっと困ったことになった。なんだ、その、アルベルトが優しすぎるのだ。白人男性はフェミニストだと聞くが、男に対してもそうなのだろうか。一人アルベルトの態度に悶々としながら、一日を過ごしていた。
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