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6

自分の隣で、翔也がすうすうと柔らかな寝息をたてる。慶一は愛しそうにその髪をとく。
体育倉庫で翔也を抱いた後、気を失った翔也を自室に連れ帰り、きれいに後処理をしてベッドに寝かせた。


かわいいかわいいお人よしの翔也。


今日の放課後、教室でクラスメイトを集めたのはわざと。翔也の態度から、翔也が僕に好意を持ち始めてくれているのがわかったから、今日一気に手に入れてしまおうと思ったんだ。翔也が委員会から帰ってくるのを見計らって、自分が実は今まで翔也を騙していたことをわざとばれる様にした。
翔也はきっと傷ついて、怒るはず。
案の定、翔也はとても傷ついた顔をして教室を飛び出した。その後、僕があのような告白をしたら、バカな翔也はきっと僕の事を『そんな思いをしていたんだ』と胸を痛めるだろう。そして、僕の思いを受け入れてくれるだろう。

結果は上々。やっぱり翔也は、お人よし。

ごめんね?翔也。でも、これも全部翔也を愛してるから。でも、まさか自分が抱かれる側だとは思ってもみなかったんだろう。行為の最中、何度も『待って』と困惑して泣きながら懇願する翔也に余計に欲情しちゃった。めちゃくちゃ泣かせちゃったけど、愛してるからいいよね。今度はうんと優しくしてあげる。


やっとやっと手に入れた。
小悪魔のような笑みを浮かべ、慶一は隣で眠る愛しい恋人にキスをした。


その翌日、教室に入った二人はクラスメイトに恋人になったことを報告した。クラスメイトは翔也に今までの態度を謝罪した。慶一も、クラスメイトに謝罪する。その様子を見て翔也は心から安堵した。

だが、クラスメイトは知っている。この慶一の謝罪は、翔也に好印象を持たせるための一つの手段だということを。

翔也にばれない様ににやりと笑う慶一に、クラスメイトは震えあがる。

「こっ、児玉!絶対別れたりすんなよ!」
「お、おれたち、お前らがずっとうまくいくように応援してるから!」
「あ、ありがとう」

いい奴ばかりだ。翔也は嬉しくてじんとする。


頼むからうまくいってくれ。クラスメイトは皆心の底からそう願うのであった。


end
→あとがき


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