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静夜様リクエストで『見た目可愛い系(受けだけにやさしく腹黒)×平凡』です。

今回裏ありです。苦手な方はご遠慮ください。

頑張ります!
ではどうぞ♪
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「翔也、一緒に帰ろっ?」
「あ、うん。」

翔也は声を掛けてきた男に返事をして、周りをちらりと見る。クラス中から浴びせられる視線に、はあ、とひとつため息をついた。

声を掛けてきた男子生徒は高槻慶一(たかつき よしかず)。翔也の通う男子校において1,2を争うほどの美形だ。美形、と言ってもイケメンな部類ではなく、かわいい。くりくりとした大きな二重の目、ぷっくりとした紅色の唇。色白で、頬はほんのりと桃色。柔らかいハニーブラウンの髪。まるで女の子のようにかわいらしい慶一は、この男子校においてアイドル的存在だった。
そんな慶一が帰ろうと声を掛けた人物。児玉翔也(こだま しょうや)。彼は至って平凡で、大人しい生徒だが勉強がよくでき、先生からの信頼が厚く学級委員長を務めていた。そんな翔也が慶一と仲良くなったきっかけは、翔也が担任の用事で下校が遅くなったとき。カバンを取りに教室に戻ると、慶一が自分の席に座り下を向いていた。

「あれ、高槻?どうしたんだ?」

思わぬ人物に、翔也が声を掛ける。慶一は俯いていた顔を上げて、翔也にその顔を見せた。途端に翔也は言葉に詰まる。…慶一は、泣いていたのか目が真っ赤だった。

「…ご、ごめん。変な顔見せちゃって…なんでもないんだ、だから…」

にこりと笑う慶一に、翔也はいたたまれなくなった。

「だい、じょうぶか?…俺でよかったら、話聞くよ?」

心配そうに声を掛ける翔也に、慶一はそのきれいな目からぽろぽろと涙をこぼした。

「…僕、みんなに嫌われてるのかなあ…って。だって、誰も僕に話しかけてくれたりしなくて…」

言われてみれば、このクラスになってから慶一が誰かといるところを見たことがない。

「そんなことないよ。きっと皆高槻がきれいすぎるから、話たくても話せないんだよ。もっと高槻から色んな奴に話しかけてみたらどうだ?きっと皆喜んで友達になってくれると思うぜ?」

慶一は翔也の言葉に、涙に濡れた顔を上げた。じっと見つめられ、思わずどきりとする。

「…児玉くんが、僕と一緒にいてくれる?ひ、一人でいきなりみんなに話しかけるの、怖い…」

涙を流しながら震える慶一をみて、翔也は胸が締め付けられる思いだった。
かわいそうに。ただ人よりきれいだと言うだけで、敬遠されて、一人ぼっちで。

「いいよ。高槻がみんなに慣れるまで、俺が一緒にいてやるよ。」
「あ、ありがとう、児玉くん!…翔也って、呼んでもいい?」
「いいよ。」
「じゃあ、僕のことも慶一って呼んでね!」

先ほどの涙はどこへやら、ぱあっと輝くような笑顔を見せる慶一に、翔也はちょっとドキドキした。

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