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おまけ

「ヤッてきた」

そう言いながらシャツをはだけてその体を見せられた時、正直目の前が真っ赤に染まった。…誰に。どんな風に。
でも、それも一瞬。所々にあるうっ血痕。キスマークにしては丸く整い過ぎているし、なにより大きい。縄の後も、手慣れているやつに頼んだという割には痕が不自然すぎた。
目を上げて、上村先輩の顔を見る。僕を挑発しているはずなのに、ぜっぱ詰まったその顔を見て即座に全てを理解した。


この人は、わざと僕を怒らせようとしている。いかにも他の奴とやったように見せかけて、僕に遠慮するなと訴えているんだ。


涙が出そうになった。でも、今泣くわけにいかないから。僕はわざと先輩の挑発に乗った。嬉しくて。申し訳なくて。そこまでさせてしまった自分が情けなくて。
温室でのあなたの覚悟は本気だった。怖いだろうに、逃げ出したいだろうに。ごめんなさい、先輩。本当なら、僕があなたに抱かれてあげるべきなのに。もっと優しく抱いてあげるべきなのに。

あなたの覚悟に応えないわけにいかないから。僕は遠慮なしに彼を攻めたてた。


でも、あなたの中に自身を打ち込んだ時。苦痛に顔を歪めたあなたを見て、僕は我慢が出来なくなった。泣きながら何度も何度もごめんなさいと繰り返すあなたを、心から愛しいと思った。



あなたを好きになってよかった。僕の運命の人。もう僕は逃げないから。だからお願い。僕をあなたの愛で溺れさせていて。



end
→あとがき

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