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8

朝目が覚めると、目の前にとてもきれいに微笑む草壁ちゃんがいた。

「おはよう」

優しく微笑みながら、俺に口づけを落とす。俺は昨日の事もあって、恥ずかしくて真っ赤になって布団にもぐりこんで小さな声で「おはよう」と返した。

昨日、失神した俺を抱いて草壁ちゃんは風呂に入りきれいに後処理をしてくれたらしい。一人で俺を持ち上げるなんて、意外に力があってびっくりだ。

「今日は一日ここで休んでてくださいね。学校にはもう連絡しておきましたから。
…あと、会長にも。なんだかほっとした声でしたよ。『こちらは気にするな、ケツの痛みをゆっくり癒せ』だって。」

…会長、下品だよ。

「僕も、お休みを頂きましたから。今日は、一人で歩いちゃダメですからね?うんと甘やかしてあげる。」


そう言って、俺のおでこにまたキスをした。


それからの草壁ちゃんは、また俺とお付き合いをきちんとしてくれるようになった。俺が考えていた愛の営みとはかけ離れているけど、愛しい人に抱かれるってそれだけで幸せになれる。俺はきっと、一生童貞。でも、いいんだ。この人はっていう運命の人に出会えたから。大事に大事に、その人のために童貞は守っておこう。



「…何考えてるんですか?」
「ん〜?ちょっとね。えへへ。」

草壁ちゃんとお付き合いをした当時の事を思いだして、一人くすくすと笑っていると草壁ちゃんが背中にはりついてきた。


「…僕といるのに違うこと考えるなんて、ひどいなあ上村センパイ。…お仕置き、だね?センパイは、だれのものなの?」
「ご、めんなさい。草壁ちゃん…。草壁ちゃんのものです…。」


俺は草壁ちゃんの首に腕を回した。


俺を愛することに怯えないで。逃げないで、奪って。
そして俺は今日も、君の愛に溺れる。


end
→おまけ

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