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8

「ほんとは、すぐにでも『嘘だよ、今までごめん』って謝りたかった。でも、僕はほんとにバカで。自分から言ってお前に拒絶されたらって怖くて、お前を早く怒らせようと焦ったんだ。ほんとバカだよな。怒らせてから謝ったって、許してもらえるかわかんないのに。その時には逆にもう佐山に嫌われちゃってるかもしれないのに。」
「そ、な、ことない!俺が、秋元を嫌いになるなんて…」

思わず秋元に食って掛かると、秋元はとても嬉しそうに笑った。

「うん、佐山はほんとに一途で、お人よしだよね。だから、好きになっちゃったんだ。」

にこりと微笑みながらさらりと言った秋元に、佐山はぽかんと口を開けた。

「す、き…?」
「うん。さっきも言ったけど、僕、佐山が好きなの。大好き。もうメロメロなんだよね。…和志が仲良くなっちゃったとき、ほんとにどうしようかと思った。僕が優しくする前に優しくされちゃって、佐山が和志に惚れちゃったらどうしようって。さっきの教室でも、僕は間違えちゃったんだよね。和志を牽制するつもりで言ったことで、お前を傷つけた。…嫌いだって言ったのは、やきもちだったんだよ。自分が冷たくしといて、勝手なんだけど…」


とてもばつが悪そうに、しゅんとして俯く。そんな秋元を見て、可愛いなんて思う俺はバカだろうか。


「お人よしで、一途で、優しい佐山。そんなお前が僕は可愛くてかわいくて仕方ないんだよ。佐山が泣きながら言った一言で、僕は自分がどれだけバカなことをしたか気付いた。やっと自分の間違いを正すことができた。お前を追いかけることができた。
傷つけてばっかでごめん。ひどいことばっか言ってごめん。今さらかもしれないけど、佐山が好きだ。…他のだれにも渡したくない。僕の恋人になってください。」


真剣な目で告白する秋元に、佐山はぼろぼろと涙をこぼした。


「う、そじゃない…?も、きらいって、言わない…?触るな、とか、は、話しかけるな、とか、き、気持ち悪い、とか…」

泣きながら訴える佐山の言葉に秋元はとても辛そうな顔をした。

「…僕、ほんと最低なことばっか言ってたんだね。改めて佐山をどれだけ傷つけてたか思い知らされるよ…。」

震える佐山をぎゅうと抱きしめる。そして、涙を流すその頬に、目に、幾度も幾度もキスを落とす。

「佐山こそ、そんな最低な僕を許せるの?まだ好きでいてくれる?」
「…秋元…」
「…いや、許してもらおうなんて思うことがおこがましいんだよね。許さなくてもいい。同じだけの言葉を投げつけてもいいよ、佐山。
その代り、今度は僕が追いかけるから。お前が謝り続けた分、お前を傷つけた分、お前にどれだけ拒絶されても、好きだって言い続けるよ。」

信じられないほどの優しいまなざしを向け、愛しさにあふれた声でそう言った秋元に、佐山は自分から抱きついた。

「言えないよ…!だって、だって、どれだけ嫌われてても、秋元がずっとずっと好きだったんだから…!」


秋元は涙でぐしゃぐしゃになった佐山の顔を両手ではさみ、自分も涙を浮かべながらその唇に深く口づけた。

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