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7

翌日の放課後。陸斗が高雅に空き教室で勉強を教えていると、がらりと突然教室の扉が開かれた。二人で開いたドアの方を見る。


「なにかご用ですか?…風紀委員長」


現れたのは、風紀委員長の菱沼だった。菱沼は、陸斗に声を掛けられびくりと体を硬直させた。そして、そのまま無言で陸斗と高雅を見つめている。菱沼は顔を赤くし、若干体が震えていた。
高雅は突然の来訪者を無言で睨みつけて威嚇し、席を立ちあがって目の前にいる陸斗の後ろに回りその背中にぎゅうとしがみついた。陸斗はそんな高雅に優しく微笑み、その頭を撫でてやる。
それを見ていた菱沼が、唇を噛みしめたあと、ゆっくりと口を開いた。


「…は、白馬…。わ、私も…、私も、彼のように…、…いや、私を彼にしてくれないか。」
「やだっ!!」


陸斗が何か言うよりも早く、高雅が陸斗の後ろから大きな声を出した。

「いいんちょ、きらい!りくと、陸斗は俺のだもん!だめだもん!ほ、ほかの誰かを陸斗が抱くとか、そんな、そんなの…」
「に、二番目でもいいんだ!き、君の立場を奪おうなんて、思わない!ただ、ただ私は…、私も同じように…」

陸斗はふ、と微笑み、顔を後ろに向けて高雅に口づけた。

「ん、ふぁ…」

ゆっくりと、菱沼に見せつけるように舌を絡ませる。菱沼は目の前で行われる口づけに顔を真っ赤にして食い入るように見つめた。

ちゅ…、と、銀の糸を引き高雅から口を離す。高雅は甘い口づけにとろんと目を潤ませ、くたりと陸斗の背中に顔を預けた。


「すみませんが風紀委員長。私は一匹の猫を溺愛することにしているんです。新しい猫がいると、やきもちを焼きますからね。それに…、」
「にゃっ!?」

陸斗はくるりと半身を高雅の方に向け、服の裾からするりと手を忍ばせ、高雅の乳首を摘んだ。

「この世界一かわいいにゃんこが、そんなことで万が一にでも拗ねてぷいっとどこかに行ってしまったりして、他の人に拾われでもしたら冗談じゃありませんからね…」
「やっ、ん、あん、あん」

本当に愛おしい、という目で見つめながら、クリクリと摘んだ乳首を弄る。高雅は顔を真っ赤にし、菱沼から隠れるように陸斗の胸に顔を埋め乳首へのいたずらに耐える。
菱沼は快感に必死に耐える高雅から目が離せず、ごくりと喉を鳴らし股間に集まる熱にもじもじと内股を擦り合わせ始めた。
陸斗は菱沼を見て、ふ、と笑ってぴたりと乳首を弄る手を止める。そして高雅を軽々と抱き上げて立ち上がった。

「というわけで、これから私はにゃんこをかわいがってきますね。失礼。」

にこりと微笑み、高雅を連れ素早く退室する。後には、疼く体を持て余し爪をかみその場に崩れ落ちる風紀委員長だけが残った。


「私のにゃんこへ余計なことを吹き込んだ罰ですよ。…ああ、でもひとつだけ、役に立ちましたね。」


口元に冷笑を浮かべ、ぽつりとつぶやく。
高雅が初めて嫉妬をした。その事実は陸斗をとても満たしてくれた。

「りくと…?」

なにかを感じ取ったのか、高雅が不安げに見上げてきた。陸斗は冷笑を消し、高雅にとても優しい笑みを向ける。

「何でもありませんよ。さあ高雅、今日もたっぷりかわいがってあげますからね。」
「ん…、かわいいってして…」

高雅は陸斗にぎゅっとしがみつき、誰にも渡すまいと力を強くした。



にゃんこのご機嫌は直ったかな?
陸斗は満足そうな笑みを浮かべたまま、高雅を抱いて自室への道を急いだ。



end
→あとがき

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