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「ひ…、ぅ…」
痙攣する高雅から、ようやく口を解放し指を抜き去る。ぬるりと抜けていく指の感覚にさえ感じるのだろう、高雅はぶるりと体を震わせた。
陸斗はそんな高雅をじっと眺める。
涙と涎でどろどろの顔。頬は赤く目は快感にとろんと虚ろになり、四肢は力なく床に落ちている。唾液の伝うのど元、白濁に濡れいまだひくひくと震えるペニス。
は…、は…、と小さく荒く呼吸をし、ぴくぴくと体を痙攣させている。
陸斗は高雅の淫らな姿に軽く舌なめずりをし、ひどく満足そうにまたキスをした。
「ふ…、ん…」
くちゅくちゅと舌を絡ませ、その間にズボンと下着を軽く履かせてやる。そしてゆっくりと離れるとくたりとしている高雅を横抱きにし、わざと菱沼に向かって歩き出した。菱沼の前に来ると、にこりと微笑む。
「気分が悪いようなので、彼を保健室に連れて行きます。失礼いたします、風紀委員長。」
悠然と微笑みながら通り過ぎる陸斗に、菱沼は何も言うことができなかった。
二人が去った後、菱沼は自分の部屋に駆け込んでベッドにもぐりこんだ。
菱沼は完全に混乱していた。目の前で行われた、陸斗と高雅のあの行為。
校舎裏に向かっていく二人を見かけたとき、思わず後をつけた。もし二人でキスでもしようものなら、難癖をつけて高雅が無理やりに陸斗に手を出したことにし、停学処分にして引き離してその間に陸斗を自分の手中に収めてやろう。そう考えていたのだ。
だが、いざ事が始まった瞬間のあの陸斗の高雅を見る眼差し。
いつもの儚げな、可憐な彼の姿はどこにもなく、ぎらぎらと捕食者のような野生のオスのフェロモンをまき散らしていた。
…高雅だってそうだ。ただの平凡な、小汚い不良だと思っていたのに。普段のあの飄々とした姿からは想像もできないほど、妖艶で淫らで見るもの全てを虜にしてしまうような淫靡な姿。
思わず、食い入るように見つめ目が離せなくなった。
行為の最中に、ちらりとこちらを見た陸斗と目があったとき。菱沼の興奮はピークに達した。
自分のベッドの中で、ぎゅっと目をつぶり震える手で恐る恐る自身に手を伸ばす。股間のそれは、はしたないほどに固く勃起し、先走りで濡れていた。
「…白馬、さま…」
自分も。自分も、高雅のように陸斗に攻められたい。
いつも陸斗を組み敷き、淫らに乱れる陸斗ばかりを想像していた男は、高雅の乱れた姿を思い出し、それに自分を重ねて自慰をした。
陸斗は校舎裏から自室に戻っていた。菱沼にはああ言ったが、保健室に行く気などさらさらない。高雅の姿に、自分も限界なのだ。
いまだ震える高雅をベッドに寝かせ、乱暴にシャツをはぎとり下履きを全て脱がせる。
「りく、と…?」
まだ自分の状態を把握できていない高雅の両足を大きく広げ、尻たぶを開き己を押し当てたかと思うと、陸斗は高雅の中に一気に自身を埋め込んだ。
「ひぃああああああああ!!!」
びゅ、びゅくっ!!
散々になぶられた高雅は、挿入の刺激だけで達してしまった。
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