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90000ヒット、こうや様リクエストで『不良×ぽっちゃりで切甘』です。
シリアスのちハピエンとのことですが、受くんが辛い目に遭うのが苦手なのでぬるければすみません(・・;)

頑張ります!
ではどうぞ♪

―――――――――――

僕は大島進次郎(おおしま しんじろう)。高校二年生。運動が苦手な僕は食べることが大好きで、ちょっとだけ太ってる。だからって別にいじめられたりしたことはないし、友達も普通にいる。悪いことをするわけでもなく、僕は本当に平々凡々と生きてきた。これからも、そうだと信じていたのに。


――――僕は自分の人生をひっくり返される出来事に遭遇することになる。


その日、夜に宿題をしていた僕は少しお腹が減ったので近くのコンビニに買い物に出かけた。だが、運悪くコンビニに目当てのデザートがなく。そういえば少し先のコンビニには置いてあったなあと、いつもなら行かない場所へ足を延ばした。
それが、僕の悪夢のカウントダウンへの第一歩だと気付かずに。

コンビニで目当てのデザートを手に入れてご機嫌な僕は、帰り道の暗い公園で何やら物音が聞こえたのでそちらに目をやった。そこにいたのは五人くらいの不良たちだった。
慌てて目をそらし帰ろうとしたその時。


「おいこら、そこのデブ。待てや。」


不良の一人が僕に気付き、大股で歩きながら近付いてきた。
逃げたくても絡まれたことなんてなかった僕は初めての不良に怖くて怖くて竦み上がってしまった。

「てめえ何見てやがったんだ、ああ?こっちこいオラ」

近付いてきた不良は、すっかりビビってしまっている僕を掴んで不良たちの元に引きずっていった。


「なんだこのデブ」
「今そこで俺らをじろじろ見てやがったんだよ。」
「じ、じろじろなんて見てません!」

慌てて言うと、一人の不良が怖い顔をして僕の胸ぐらを掴んだ。

「ああ!?なんだデブ!調子こいてんじゃねえぞコラァ!」

がつん!と殴られ、その場に倒れる。

「ははっ、ビビってやがんのか!情けねえデブだぜ!金出せよ、そしたら許してやるよ」
「も、持ってません…」

デザートしか買わないつもりだったので、大金は持ってこなかった。殴られた場所を押さえながら、震える声で言うと不良たちの空気が変わった。

「しょうがねえな、じゃあてめえは今からサンドバックだ」
「ちょうどいらいらしてたんだ、憂さ晴らしに付き合いな」


それから僕は、不良たちに殴る蹴るの暴行を受けた。


「何してやがる」


どれくらい経っただろうか。声がしたと思うと、ぴたりと暴行がやんだ。腫れてしまった目でそちらを見ると、そこには他の不良にはない圧倒的な存在感を持つとても美形な男が、綺麗な女の人をはべらせ立っていた。


「あ、総長!お疲れ様っす!」
「お疲れ様っす!」


不良たちが一斉に頭を下げる。どうやら、不良たちのチームの総長らしい。総長と呼ばれた男は無言で僕に近付いてきた。

「なぁにい、竜馬。うわ、なにこのデブ!ボコボコじゃん、かっわいそ〜」

そばにいた女の人が、僕を見てけらけらと笑った。
竜馬(たつま)と呼ばれた総長は、僕の側まできてしゃがみこみ、僕の顎に手をやり顔を上げさせた。


今度は、この人に殴られるんだろうか。


じっと見られ、僕はがたがたと震えることしかできなかった。

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