×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -




4

昨夜の一夜の行動を不思議に思いながらも、俺は実家に向かっていた。
一夜が、あんなに不安定になるなんて珍しい。いつも何があっても、
『俺が一番和ちんのこと愛してるもんね〜』
なんて言って堂々としてるのに。

「カズヤ!」
「ちょっ…、…ん!」


考えながら歩いていると、向こうからミシェルがやってきた。そして俺の前に来るなり、がばりと俺に抱きつき、昨日と同じようにキスをされた。慌てて口を離し、離れようとするも背の高いミシェルに抱き込まれ身動きが取れない。
ちょっと、スキンシップにもほどってもんがあるだろ!

「カズヤ、会いたかった…来てくれてアリガト」

腕の中でなんとか顔を上げると嬉しそうに俺を抱きしめるミシェルと目が合い、にこりと微笑まれる。

「ミシェル、離してくれないかな?さっきのキスもそうだけど、俺は過剰なスキンシップとか挨拶は困る」
「oh、ゴメンナサイ…」

俺が言うと、ミシェルは悲しそうに謝り俺を離した。

「カズヤ、怒った?」
「いや、怒ってはないよ。これから気をつけてくれればいい。じゃ、行こうか」

俺が言うと、ミシェルは笑顔になって隣にきた。

それから近所を案内してたんだけど、やっぱりミシェルはスキンシップが激しい。ことあるごとに肩を抱く、腰に手を回す、後ろからのぞき込むときに顔を肩に乗せたり、とにかくやたらと俺に触れてくる。歩くときもぴたりと隣に寄り添い、時には肩を抱いて歩こうとする。
注意をしようとしたが、なんやかやと上手く理由をつけられかわせない。こりゃはっきり言わないとだめだな。
最後についた近所の公園で、俺はミシェルとベンチに座った。

「あのさ、ミシェル。さっきも言ったけど、過剰なスキンシップは困る。アメリカでは普通かもしれないけど、ここじゃ誤解されて変な噂になったりするからやめてくれないかな。俺、一応恋人いるからさ、誤解招くようなことしたくないんだ。」

そう言うとミシェルは大きな目をさらに大きく見開いた。

「カズヤ…恋人、いるの…?」
「え?あ、ああ。」
「…どんな人?優しい?きれい?どこが好き?」

ベンチに座りながら、どんどんと詰め寄ってくる。なんだ、どうしたんだ。

「え、と、うん、優しいよ、すごく。きれい…といえばそうかな。どこが好き、って…」

好きなところ…。

『和ちん、大好き〜』

一夜のことを考えると、いつもとろけた笑顔が浮かぶ。あの顔を思い出すたび、ああ、俺って愛されてるなあ。ほんとに俺、こいつが好きだって思うんだ。


[ 233/459 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]


top