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それからしばらくは本郷コーポレーション倒産のニュースが続いていた。そのニュースの影に隠れるように、誠二の婚約のニュースが流れる。
あれから誠二は、俺から離れるのをひどく嫌がるようになった。
「出かける前に言っただろう?むやみにドアを開けるなって。だからお前は目が離せないんだ」
「そんなの、宅配便とかだったらどうするんだよ」
「…指定ボックスをレンタルするか」
真剣に悩む誠二に、ちょっと笑ってしまった。
誠二、誠二。お前がいてくれるなら、どんなことだって乗り越えられる気がするよ。
「誠二、幸せにするよ。幸せにしてくれる?」
「当たり前だ」
「ふつつかものですが、よろしくお願いします」
幸せに、なるために。
果てない愛をもう一度刻もう。
一生、二人で歩いていこう。
end
→あとがき
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