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3

当然だろうとでも言うように、三人が俺を見る。俺は顔をあげ、しっかりと正面から三人に向き直った。

「お断りします」
「な…!」

思いもよらなかっただろう俺の返事に、三人が驚愕に目を見開く。

「俺は、出ていきません。誠二の前から、いなくなりません。ここにいます。誠二と、結婚します。」

俺はきっぱりと、宣言してやった。

「何をバカなことを!」
「そうよ、結婚ですって!?男同士でできるわけないでしょう、汚らわしい!」
「いいえ、します。式なら外国で挙げれます。帰ってきてからは、養子縁組という形で籍を一緒にします。」

少しもひるむことなく言い切る俺に、向こうが動揺を隠せず顔を赤くしたり青くしたりしている。それもそうだろう。きっと彼らの予定では、俺は大人しくこの場を去り消えると思っていたんだろうから。


…確かに、以前の俺ならそうしただろう。でも、あの日。誠二がプロポーズをしてくれた日。俺は何があっても誠二を裏切らない、信じて着いていくと決めたんだ。
一年。一年も、誠二は俺のために自分の感情を殺し俺を抱いていた。そんな誠二が、俺に何も言わず性欲処理にしていただなんてありえない。たとえ万が一それが真実だとしても、誠二の口から聞くまでは信じない。

「…何を言っても聞かないつもりかね?」
「はい。」

以前凛とした態度を崩さない俺に、誠二の両親が二人顔を見合わせた。その二人の顔に、背筋に嫌なものが走る。


「…仕方ないな…おい、入ってこい」

誠二の父親の合図とともに、屈強な男たちがぞろぞろと部屋へ押し入ってきた。やばい!咄嗟に立ち上がり逃げようとするも、一歩遅く幾人もの男たちに床に押さえつけられた。

「やめろっ、はなせ!…うっ!ぐ…!」

暴れると、顔を殴られ腹を蹴られた。

「手荒な真似はしたくなかったんだがな、君がうんと言うまですきにさせてもらうよ。…やれ」


父親の合図とともに、俺への暴力が始まった。


「ぐっ!がは…!うああっ!!」

何人もの屈強な男に、順番に殴られる。そんな俺の様子を、ひどく楽しそうに真奈美という女が見ている。こいつ、性格悪いぞ絶対。一通り殴ると、倒れた俺の前髪を掴み顔をあげさせた。

「どう?別れる気になった?」

ニヤニヤ笑いながら俺に問いかける。俺は掴まれた頭を横に振った。

「…強情な男ね。諦めなさいよ。男が好きなら他にいくらでもいるじゃない。」
「…誠二は、俺を、諦めないって、言ったんだ。…だから、俺も、誠二を諦めない…」

俺の言葉に、女の顔が怒りで醜く歪む。

「…気持ち悪いのよ!男のくせに!」


「なら俺もそうだな」


女が手を振り上げた瞬間、リビングの入り口から声がした。

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