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「ちゃんと説明しなさい、洋介!」
あの後、圭介は救急車で運ばれていった。パパは園から呼び出され、二人と先生で圭介の家に謝りに行った。幸い怪我は大したことなく、2針ほど縫ったが特に後遺症などは残らないそうだ。
先生もパパも、圭介の親にものすごく怒られていた。
帰ってきてから、パパは俺を問いつめた。
俺はもう、自分のしたことと責められたことでいっぱいいっぱいになってしまって、言ってはいけないことを言ってしまった。
「…おれが、じゃまなくせに!父親ぶんな!おれがいるから、先生とつき合えないんだと思ってるんだろ!先生だって、パパが好きでほんとは俺がいなきゃって思ってるんだろ!」
「洋介っ!」
ばしん!
パパが、俺の頬を叩いた。
「…パパなんか、大っきらいだ!先生も、大っきらいだ!」
俺は家から飛び出した。
一人、走って公園の滑り台のトンネルに隠れる。
なんで、なんであんなこと言っちゃったんだろう。誰も悪くない。俺が、俺だけが悪いのに。
パパ、ごめんなさい。先生、ごめんなさい。圭介、ごめん。
隠れながら、一人でみんなにずっと謝り続けた。
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