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3

次の日から、お迎えの時パパは先生にあからさまによそよそしくなった。先生はパパの態度に、困惑してるのがわかる。

そりゃそうだ。今までわかりやすいくらい照れて挨拶してた人間が、目も合わさず俺を引き取るとそそくさと帰ってしまう。
先生は、日に日に元気が無くなっていく。パパも、家ではまるで生ける屍だ。


俺の、嘘のせいで。


だけど、どうしても嫌だった。パパは大人で、誰が見てもすごくかっこいい。自慢のパパだった。でも、俺はほんとに先生が好きで。大人になって、絶対に告白するつもりだったのに!
どうして俺は子供なんだろう。どうして、今大人じゃないんだろう。


自分の気持ちと、したことの罪悪感でこっそり園の隅で泣いていたら圭介が現れた。

「よーちゃん…」

慌てて、目をごしごしとこする。

「なんだよ、あっちいけよ!今お前と遊ぶ気はないんだからな!」

背中を向けたまま言うと、圭介は俺に近づいてきた。

「よーちゃん、大丈夫。大丈夫だよ。僕、一緒にごめんなさいしてあげるから。一緒に、いこ?先生に、謝りたいんだよね?」

こいつ、なんでわかるんだ!

「う、うるさい!何も知らないくせに、余計なお世話だ!」
「あっ!」

自分の気持ちを見透かされて、かっとなって圭介をどんっと押した。


がん!


「きゃーっ、けいちゃん!」
「先生、よーちゃんがけいちゃん押したー!」
「あ…」


俺に押されて倒れた圭介は、花壇の煉瓦に頭をぶつけて血を流していた。

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