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俺は頭の怪我がよくなるまでだぁりんの部屋から出してもらえなかった。
後から知ったんだけど、総長の部屋イコール実は生徒会長の部屋だった。あの日頭を怪我して気を失った俺を誰にも触らせずだぁりんは自分で抱き上げ、校内を堂々と歩いて部屋に向かったらしい。
それを見た学園のみんながびっくりしてだぁりんに詰め寄ったら、だぁりんは
『俺の命より大事な人だ。今まで訳あって隠してたけどこれからは堂々とつき合うから』
と声高に宣言したらしい。
バレちゃったんだ…だぁりん大丈夫かなって心配してたら、俺にキスしながら
「そんなことで落ちる評価なんか正しいもんじゃねえ。俺はお前が大事だから。落ちる評価はまた上げりゃいいだけだろ?」
と笑った。
だぁりん、かっこいい。またきゅんきゅんしちゃった。
秋次も、俺の様子を見にやってきた。その時に初めて知ったんだけど、チームの皆は俺のこと知っててだぁりんに警護につくように言われてたんだって。だから抗争のとき、俺の周りによくチームの奴らがいたんだ。
「俺なんか同室だからって、普段からお前の様子を報告するように言われてたんだぜ。あと裸を見るなとか、あんまり近づくなとか嫉妬もすごかったんだからな。」
だから俺がだぁりんの話をする度げんなりしてたのか。
「お前が倒れた後の総長、そらもうすごかったんだぜ。仲間が震え上がるくらいな。隼は壊滅、高峰は全治3ヶ月だ。両手は指全部折られてたらしい」
だぁりん過激!
それから、このネックレスのことも教えてくれた。
「高峰はそれをみた途端顔色を変えたんだろ?そりゃそうだ、それは総長がずっとつけてたいわゆるチームのシンボルみたいなもので世界に二つとない。それをお前がつけてるってことはお前が総長の特別だってのがわかったんだよ。俺も初めて見たとき、総長がマジなんだってびっくりしたもんな。今まで総長、何人か女いたけど誰一人としてそれを渡した奴はいなかったからな」
「よけいなことを言うな。ひいが妬いたらどうするんだ」
「す、すいません!」
だぁりんがお茶を持って部屋に入ってきた。じろりと睨まれ秋次が慌てて頭をさげる。
「…妬かないもん。だぁりんが誰と付き合ってたかとか別にいいもん。」
ぷくりと膨れ、ぷいっとそっぽを向いた俺のそばに笑いながら腰掛ける。
「かわいいな、ひいは。やきもちは嬉しいな。結構遊んでたのは否定しないけど、本気になったのはひいだけだからな。ひいしかいらない。ひいが一番だ。」
頭を撫でられ、だぁりんに抱きつく。
「やきもち妬くもん!俺なんかだぁりんが初めての彼氏なのに!だぁりんのばか!」
ぎゅうぎゅう抱きついたら、だぁりんは嬉しそうに笑って俺を抱きしめ返してきた。
「うん、ひいの初めてが俺で嬉しい。最後も俺な?約束だから。」
「ゆー、大好き!」
だからきゅんきゅんしちゃうんだって!
抱き合ってキスをする俺たちを、秋次がうんざりするような顔で見てた。
へーんだ、どんな目で見られたって平気だもんね!だって俺、乙女ですから!乙女はいつだって、だぁりんに全力なんです!
怪我が治った俺が、だぁりんと同室に移動して関係が公になっていちゃいちゃするのはまた後のお話。
end
→あとがき
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