×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -




8

しばらく唇を重ねた後、ゆっくりと離れる。
原口は、まだ伊集院の後頭部に手を置いたままだ。二人の距離は、鼻先。伊集院は、何が起きたのかわからず目をうろうろとさ迷わせた。

「俺、さっき傷ついたって言ったでしょ?」

原口の言葉に、伊集院がさ迷わせていた目を俯かせ唇を噛む。

「でも、いいやって思っちゃったんだ。あんたになら、傷つけられてもいいやって。
…そんくらい、俺もあんたが好きなんだよね」


俯いていた伊集院が、目を見開き顔を原口に向ける。


「だから、ずるいよ。こんなかわいいとこ見せられたら、もうこなくていいなんて意地張ってられなくなっちゃった」


にこりと笑い、ちゅっ、と伊集院に軽くキスをした。


「あんたが好きだ、伊集院。あんたは?」
「…っ!好きだ!原口、好きだ!」


微笑みながら言う原口に、伊集院はぼろぼろ泣きながら飛びついた。



「ちょ、伊集院、…っん、まて、わかったから、んっ、落ち着けって!」

伊集院は、飛びついたあと、原口にぎゅうぎゅう抱きつきながら何度も何度もキスをする。
原口はそんな伊集院を必死になだめている。


「だ、だめか?」


原口に言われ、一旦キスをやめ、しゅんとして原口を見つめる。
その姿からは、あのいつもの高飛車で傲慢な伊集院は想像もつかない。


「いや、だめじゃないけどさ。ちょっと確認。
…そんなかわいいとこばっか見せるってことはさ、俺が上でいいんだよね?」
「…!」


ニヤリと笑う原口に、伊集院は真っ赤になる。


「は、原口がそうしたいならいい。けど、初めてだから、優しくしてほしい…」


真っ赤になってそう言う伊集院に、今度は原口が真っ赤になった。


「ああもう、参りました!」


伊集院をきつく抱きしめ、今度は原口からキスをした。


インコが2人をじっと見て、一声ピルル、と鳴いた。

[ 188/459 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]


top