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6

「おじさま!」

倒れた人物に駆け寄る京介。神村が殴りつけたのは京介の叔父、学園の理事長だった。


「―――貴様の!貴様のせいで四季は傷つけられた!」
「神村様!やめてください!」


尚も殴りかかろうとする神村を、必死に四季が引きとめる。
理事長は立ち上がり、深々と頭を下げた。


「本当に申し訳ない。起きてはいけない事件が起きてしまった。四季くんには詫びのしようもない。どうか許してくれ。」
「許せるわけがないだろう!貴様が、絶対に大丈夫だと言うから!四季には警護の目を離さないと言ったのは誰だ!」
「神村様!」
「くそっ…!」


四季の必死の訴えに、神村は苛立ちを懸命にこらえた。


全ては、理事長の頼みから始まる。


京介が転入してきたとき、学園の権力者が全て虜になり京介を取り合っていると言う噂を聞きつけた。事実を京介に確認すると、事態は深刻さを増していた。
初めはちやほやと口説いてきていたものたちが、なかなか靡かない京介に苛立ちに似た焦りを感じ始めてスキンシップや言動がエスカレートしてきたのだ。
特に危険性の高かったのは副会長で、彼は元々蛇のように執念深く粘着質で狡猾な一面をもっていた。

それにいち早く気付いたのが総隊長の四季である。四季はすぐさま理事長に事の重大さを伝え、神村と共に京介を保護することを決めたのである。

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