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会議から三日後、四季は1人移動教室に向かっていた。担任に用事を言いつけられたため、少し遅れてしまいもう授業は始まっている。離れにある教室に向かうには使われていない資料室などがあり、そういえばこのあたりはよく暴行事件などに使われるな、などと考えながら歩いていた。
ふと、影から飛び出してきた人物とぶつかり、二人もつれて倒れてしまった。
「ご、ごめんなさい!」
「いえ、こちらこそ。お怪我はありませんか?」
顔を上げると、そこにいたのは日村京介だった。
「…どうされたんですか?お一人では危ないですよ。」
「待てこら!」
四季が声をかけると同時に、角からバタバタと五人の生徒が現れた。
現れたのは、恐らく副会長の親衛隊の制裁実行係。
…まずいな。
四季は京介を後ろに庇い、五人に向かい合う。
「今は授業中のはずですが。一体何をされているんですか?」
毅然とした態度で対立するも、五人はニヤニヤといやな笑いを浮かべてきた。
「いやあ〜、べつに〜?俺たちただ日村くんと遊ぼうとしてただけだぜ〜?」
「彼はそう思ってはいないようですがね。彼は私が責任を持って教室に送ります。皆さんはこの場をすぐに立ち去りなさい」
四季の言葉に、五人は顔を見合わせたかと思うと四季たちに掴みかかってきた。
「!」
咄嗟に四季は京介をすぐ側にあった階下へ向かう階段へと逃がす。
そして自ら五人に飛びつき、進路を阻んだ。
「逃げて!逃げてください!早く!」
四季の言葉に、京介は階下へと走りだす。
「あっ、まちやがれ!」
「行かせません!」
後を追おうとする生徒たちを、必死に引き止める。
「あっ!」
がつんと殴られ、四季は倒れた。
「ちっきしょう、逃げられちまったじゃねえか!」
「まあいいか、この落とし前は総隊長さまにとってもらおうぜ。」
「おら、立てよ。たっぷりかわいがってやるからよ」
四季はズルズルと、空き資料室に引きずり込まれてしまった。
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