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10

「やま…、ひっ!」


抱きしめられて困惑していたら、山下さんが急に僕の顔を両手で挟み、さっき市原さんにキスされたとこを指でごしごしと擦ったかと思うとべろりと舐めた。


「ひゃ、山下さ、やんん」


べろべろと何度かなめた後、チロチロと舌先でくすぐるように舐めてくる。なんだか背中がぞくぞくして、変な声がでちゃう。恥ずかしくて、体をもじもじと捩った。


何分くらいそうされていたかわからない。山下さんが離れた後、僕はすっかり息が上がってかくりと膝をついた。はあはあと息を乱しながら、潤んだ目で山下さんを見上げる。

山下さんが、真っ赤になって口を抑えた。


「…すまねえ、消毒のつもりがつい…」


なんの消毒なんだろう。わからなくてきょとんと山下さんを見つめる。
そんな僕を、山下さんはまたぎゅっと抱きしめた。


「…高原…、好きだ…」


突然の山下さんの告白に、僕は頭が真っ白になった。


「初めは、お前をチームに入れようと近づいた。伝説的な強さのお前と戦ってもみたかった。
でも、お前が女連れで歩いてるのにばったり会ったあの日、女を人質にして喧嘩をふっかけてみようかとあとをつけたんだ」

あの日って、初めてケーキ屋さんに行った時か。あとをつけてきたって…

「まさかあんな店に入るなんて思わなくてすげえびっくりした。お前がケーキなんて、想像できなくて。ケーキの乗ったトレイを持ったお前を見たときは鼻で笑った。
窓際に座るお前らをいつ出てくるかと伺いながら見ていた時、お前がケーキを一口食べた。
…その時、お前、すっげえ幸せそうに笑ったんだ。」

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