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6

「寂しい思いをさせたんは悪かったと思ってる。けどな、だからといって纏にしたことはようないな。俺はそれだけは怒ってる。
おかあちゃんでもな、子供に無視されたら傷つくんやで。
それからな、しっかりしてても纏はまだお前等と同い年のただの学生なんや。一人で何でも抱えさしたら潰れてしまう。それは忘れたらあかん。」


晃に言われ、皆はっとした。
…そうだ。俺たちだって、纏を守ろうと決めたはずなのに。お母様を大事にしようと誓ったはずなのに。
涙を浮かべ拳を握りしめる皆を、晃が一人ずつ頭をぐりぐりと撫でていく。


「おかあちゃんを独り占めしてかんにんな。寂しい思いさしてかんにんな。
…部屋に行ってみ。纏がいいもん用意してくれてるわ」


晃が言うと、皆一斉に顔をあげ走り出した。
宝が、振り返り晃の腕を掴む。


「あ、晃も一緒に行こうぜ!」
「そうですよ、みんなで行かないと!」
「纏ママが待ってるよ!」
「「だって、晃は大事なパパだもんね!」」


そうだそうだ!と、みな一斉に晃の手を引き走り出す。


「ははっ、そうやな。ありがとう。じゃあみんなで急ごうか。走らんようにな。おかあちゃんにバレたら怒られるでー?」


笑って言う晃に、みな一斉にぴたりと走るのをやめ、せかせかと早歩きをしだした。

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