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5

「き、気付いてたのか?」「ま、纏が悪いんだからな!俺たちをずっとほったらかしにして!」
「そ、そうですよ?私たちは、その…」
「晃パパだって悪いんだからね!」
「「そうだよお、纏ママ独り占めしたもん!」」
「…ずるい」
「俺たちだって…」
「纏は俺たちのもんだ!」


少しびくつきながらも、何も言わない晃に口々に反抗する。そんな子どもたちに、晃は無言で近づき、頭を下げた。


「すまん。かんにんな。子供らから取り上げるようなマネはせんて言うといて、1ヶ月も纏を連れ回した。ほんまかんにんやで。」


思いも寄らない晃の謝罪に、みな驚いて顔を見合わせる。

「お、怒ってないのか…?」
「というか、気付いていたんですか?その、私たちが…」
「ああ、気付いとったで。初めはなんの虐めやと思ったけど俺の隠されたりなくなったりってのは全部纏が関わったもんやった。何でもええから纏が用意したもんが欲しかったんやろ?」


晃の言葉に、みなが俯いて黙る。


「ごめんなあ。俺も半年ぶりに纏に会うたもんやから、ついつい甘えてしもた。寂しかったんやな?おかあちゃんに相手してもらわれへんで。お前等の気持ちも考えんと寂しい思いさして、おとうちゃん失格やな。」


…わかってくれた。みなは、泣きそうにお互いの顔を見合わせる。


「あのな、この1ヶ月纏はお前等の事を全く忘れてたわけやないんやで。生徒会役員たち。あんたらみんなこの1ヶ月、仕事がちょっと減ってたと思わんか?あれは纏がな、俺と一緒に役員の親衛隊たちに掛け合いに行ってできるだけ負担が軽くなるように仕事の割り振りをみんなで考えたんや。
纏は、お前等がほんまはやらんでもいい仕事まで無理に学校にやらされてるのを知ってたんや。でも一般生徒の自分が学園に直訴しても通りが遅い。だから風紀委員長の俺に力になってくれって頭下げてきたんや。」


確かに、最近先生関係の書類が無くなっていた。纏が、俺たちのために…!晃から知らされた事実に、役員たちが驚愕する。


「ほんで、宝。お前はなんだかんだ朝ご飯もきちんと用意されてたし次の日の制服もきちんと掛けられてたりしたやろ?纏は『宝はすぐに忘れちゃうから』って寝る前に必ずその準備だけはしてたんや。
スポーツ少年くん。君が部活でいつも飲んでる特製ドリンク。あれは纏がお前の体質、体調に合わせて毎日マネージャーに作り方を指導してるんや。俺に体にいい配合を教えてくれ言うてな。
あと一匹狼くん。重要点をまとめたレポートがノートに挟まってたりせんかったか?君は最近授業にちゃんと出るようになったからっていうてな、纏が少しでも勉強追いつけるようにてこっそり入れてたんや。俺にもわからんとこ聞いたりしてな。」


次々と暴露される纏の影の支えに、みな眉間にしわを寄せ俯き、ぎゅっと唇を噛み締める。

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