×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -




3

晃が帰ってきてから1ヶ月。子どもたちは集まって作戦会議をしていた。

「纏、最近委員長につきっきりだな。」
「そうだぜ!俺なんか同室なのに、いつも委員長が纏の部屋に行って、二人で夜遅くまで出てこなかったりするんだぜ!」
「おやつだって最近作ってくれませんし…」
「晃パパが帰ってきて嬉しいのはわかるけどぉ〜」
「「ちょっとぼくたちをほったらかしにしすぎだよねー」」
「…まとい、つめたい」
「でもどうすれば…」
「…みんな、耳貸せ」


一匹狼が、なにやら思いつきみなに耳打ちをした。

「そ、そんなことしていいのか?」
「いや!俺は賛成だぜ!最悪纏に怒ってもらえるだろ!」
「そうですね、ちょっとくらいなら…」
「いいかなあ?」
「「いいよ、だって纏ママだって!」」
「…やる」
「しかたないね」
「よし、じゃあ明日決行だ!」


みんなで顔を見合わせて頷いた。


次の日、纏は宝を起こすために部屋をノックした。

「宝、朝だよ。」

すると、宝は無言で部屋から出てきた。

「おはよう。朝ご飯できてるよ。」

宝は纏の声に返事をせず、なんと纏を無視して朝の支度をしてさっさと出て行ってしまった。


「宝…?」


後に残された纏は、いつもと違う宝に戸惑っていた。



違うのは宝だけではない。その日、いつもなら朝登校を迎えにくるみなは顔を見せなかった。
それどころか、学内で纏とすれ違っても目も合わせずに無視するのだ。
その様子を見ていた他の生徒たちも、何があったのかと心配した。


そんなことが一週間ほど続いたある日の昼休み、纏は晃とご飯を食べながらため息をついた。

「どないしたんや?」
「ううん、なんでも…」

明らかに落ち込む纏をみて、晃は優しく頭を撫でた。
晃は纏の憂いの原因を知っていた。なぜなら時同じくして、子どもたちは晃に小さなイタズラを仕掛けてきていたからだ。

[ 143/459 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]


top