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5

「開けていい…?」
「どうぞ!」


震える指でリボンを解くと、中から出てきたのは銀色に光る指輪だった。


「や、その…重すぎっかなーとか思ったんすけど…やっぱ俺、どうしてもあげたくて…
…連矢さんは、俺のものだって証が欲しかったんす。や、押しつけでほんと申し訳ないんすけど!」


ぽたり。


連矢は、指輪を見つめながら一粒の涙を落とした。

「うわ!れ、連矢さん!?やっぱ嫌っすか!?ごごごごめんなさい!」


あたふたと幹司があわて出す。


「…俺、こんなんだよ?顔だって平凡だし、性格だってひねくれてるし…」


ほんとは。いつも不安だった。幹司を、俺みたいな奴が縛り付けててもいいのかって。早く解放してやらなきゃって。
だから自分の気持ちは一切言わなかった。重荷にならないように。幹司が、いつでも俺を捨てられるように。


静かに泣き続ける連矢を、そっと幹司が抱き寄せる。


「いつも言ってるじゃないっすか。俺、連矢さんの気持ち、わかってるつもりっすから。連矢さんは、俺のために何も言わないんだよね。でも、それって逆効果。そんな健気な連矢さんに、俺もっと夢中になっちゃうんすから!」
「幹司…」


幹司の言葉は、まるで雪を溶かす春の日差しのように連矢の心も溶かしていく。


「はいはい、いちゃいちゃすんのは部屋に帰ってからにしてねー」


段々と近づいて後少しでお互いの唇が触れ合うかと言うその時。
伊藤がぱんぱんと手をたたき、甘い空気を遮断した。

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