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10

「昨日、俺は本気でお前を抱いた。愛してるから抱いた。
俺は少しでも返せた?お前に俺の大好きは、伝わった?」



柳沢くんの言葉に、涙が後から後から溢れてくる。
ああ、あの時のあの腕は。宝物のように触れた彼の全ては。



「わ、かんない…。」



僕の言葉に、柳沢くんが悲しそうに顔を潜める。

「…そ、うだよな。ごめん。罰ゲームってことも、ちゃんと説明しないままだと卑怯だよな…」
「でも、伝わった…!柳沢くんの気持ち、伝わってきた、よ…!でも、わかんない。わかんないから、もう一度伝えて…!大好きだから、僕に伝えて…!」
「―――――仰せのままに。山下。お前が好きだ。」



泣きながら笑顔で両手を広げる僕を、柳沢くんは笑顔で抱きしめてキスをした。



それから家に帰って、彼は僕をお風呂に入れた。お、お姫様だっこで!宣言通り、隅から隅まで丁寧に洗う。

「あいつらがさわったとこ、全部消毒したい」

憎々しげに言う彼がかわいくて、嬉しくて、僕からキスをした。
お風呂から上がった僕らは、並んでベッドに横たわる。
彼は、『大好き』を繰り返しながら優しく優しく僕を抱いた。

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