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9

柳沢くんは、苦しそうな顔で僕を見つめながら髪を撫でた。


「…最初は、ほんとにただの罰ゲームだったんだ。提案されたとき、『冗談じゃない』って本気で嫌だった。でも、なんか放棄したら負けのような気がしてそれも嫌で。
山下が、さすがに最後は断るだろうって踏んでたんだ。」


柳沢くんが、僕の髪を撫でながら告白する。


「でも、嘘で付き合ってるうちに、段々お前と話すのが楽しくて。…お前、からかわれる度に恥ずかしげもなく『大好き』って言ってくれるから。…その顔が、見る度なんていうかすごくかわいくて。…もっと、もっと言ってほしくなって。
離れがたくなって、公園に毎回誘った。
そんで、毎日話すほどお前からの『大好き』って気持ちが伝わってきて。俺、お前からもらう『大好き』がすごく心地よかった。」


優しく笑いながら、また僕にキスをする。
されるがままの僕は、柳沢くんの言葉を理解するのに必死だ。



…伝わった?伝わって、くれてた?



「それでも認めたくなくて。俺、罰ゲームで仕方なく付き合ってるんだって思い込もうとしたんだけど、昨日、お前からご両親の話を聞いて、もうダメだと思った。
罰ゲームなんかでお前を傷つけてる自分に腹が立った。
…あの時言った気持ちは本物だ。
俺は、嘘の向こう側の本物を見つけた。

―――――お前が好きだ。」

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