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7

「グアッ!」


覚悟して目を閉じた瞬間、僕の上から中沢が吹き飛んだ。


「…なにしてやがる」


そこには、鬼の形相で三人を睨みつける柳沢くんがいた。

「柳沢…!おまえ、なんで」
「や、違うんだ、これは…うわあ!」


柳沢くんは、無言で三人を殴りつけた。
特に、中沢を。馬乗りになって、何度も何度も殴りつける。


「や、柳沢!悪かった!俺らが悪かったって!もうやめてくれ!」


谷繁が、中沢を殴るのをやめない柳沢くんを後ろから羽交い締めにして必死に止める。
そんな谷繁を柳沢くんは思い切り跳ね飛ばし、固まっている二人に向き直る。


「俺、昨日言ったはずだよな?罰ゲームはもう終わりだ。山下には手を出すなって。頭を下げる俺に『じゃあ無しにしたかったら代わりに今日1日朝からバイトに行け』っつっといて、これが目的だったのか。」



柳沢くんの言葉に、二人が息をのむ。



「や…、ちが、ちがうんだ。だって、お前がこんな奴に本気だなんて言い出すから。だから俺ら、おまえの目を覚まさせようと…」
「そ、そうだよ、柳沢。山下、男だぜ?しかも根暗で、顔だって平凡だし。お前が本気で相手するような奴じゃねえよ!」



柳沢くんは、無言で僕を抱き起こし、自分のシャツを羽織らせてその胸に抱きしめた。



「…俺が誰に本気になろうがおまえ等に関係ない。昨日も言ったが、山下は俺の唯一無二だ。
二度と、山下に手を出すな。もしまた山下に何かした時には…
―――――お前等を死ぬほど後悔させてやる。」


谷繁と結城は、中沢を抱えて教室から逃げるように去っていった。

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