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それでも泣かない僕に、中沢が苛立ちを頂点にした。
「おい、お前ら山下の手足抑えろ」
「…!?」
中沢に言われて、谷繁が僕の両手を頭の上で、結城が両足を抑えつける。
「柳沢にやられたんなら1人も2人も同じだろ?男ってくせになるらしいなあ?俺も一回試してみたかったんだよな」
中沢が、僕のシャツを思い切り破いた。
昨日付けられた鬱血の後が晒される。
「うわ、柳沢めっちゃつけたなあ。山下色白いし、なんかエロくね?」
谷繁が僕の体を見てごくりと唾を飲み込んだ。
「俺たちも楽しませろよ。な?」
ニヤニヤと顔を近づける中沢に、がくがくと体が震えた。
「い、いや…!いやだああ!」
僕は、全力で抗った。
体中を這い回る中沢の手に、舌に、体中が嫌悪で震える。もがいても暴れても、三人に抑えられた非力な僕はちっともはね飛ばすことなんかできなくて。
悪夢のような時間が過ぎていく。
柳沢くん。柳沢くん。
「お願い…やめて…、柳沢くんの跡を消さないで…」
泣きながら訴える僕の後孔に、中沢が自身を押し当てた。
ああ、柳沢くん。僕の、この気持ちだけは。
「…柳沢くん…大好き…」
僕は最後に、彼への気持ちをつぶやいた。
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