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12

良平が、俺の隣で眠っている。あの時のように小さな寝息を立てながら。

優しく優しく髪をとく。愛しい、愛しい俺のお姫様。
良平の話では、両親は二人ともそれぞれの愛人の元で暮らしており、帰って来ないらしい。生活費だけは、振り込まれるそうだ。


「気が楽でいいけどね」


そう言う良平を、だきしめた。
二人がいらないってんなら、遠慮はいらない。俺が良平をもらおう。



俺は、良平を抱きながら初めて満たされた眠りについた。



それから俺は、変わった。
バカみたいに暴れるのもやめた。頭は元々よかったから、大学も決めた。『狂犬』はすっかりなりを潜め、良平をしっぽを振って追いかける俺を今ではチームのみんなが余りの変わりように驚き、『忠犬』だと笑いながら言う。


良平の犬なら本望だ。

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