最上級の告白を
目が覚めたら、極上の笑みで微笑む京也様がおりました。
天井にまでポスター貼ってんだもん、晴彦ちゃんたらすごいよね。
「起きたか」
ぼんやり天井を眺めてたら、寝室の扉が開いて晴彦が現れた。
「今何日で何時?」
「25日で夜の7時だ。お前が寝込んでから一週間だな」
うわお、一週間て長くね?道理でなんだか頭がぼへっとしてるはずだわ。体も痛いし。
「とりあえず飯を食え、すぐに用意してやるから」
そう言って出て行って、盆をもってすぐに戻ってきた。
アツアツのおかゆが乗せられたお盆をサイドチェストに置くと、俺の背中に手を入れてゆっくりと起きあがらせてくれた。晴彦ちゃんが優しいわ。なんだかこわいわ。
「ゆっくりでいいからな。」
そう言って、俺の上にお盆を乗せてくれた。あったかいおかゆがお腹に染み渡る。晴彦ちゃん、超美味いんだけど。いい嫁になるよあんた。
「食いながらでいいから聞け。お前はこれからしばらく特別室で授業を受けろ。」
なんですと?
おかゆを掬って口を開けたままぽかんとしてしまった。
晴彦の言う特別室とは学校にあるいわば個人授業が受けられる部屋で、例えばいじめや不登校、またはクラスにどうしても馴染めないなど特別な理由で団体授業を避けたいやつが使用することができる部屋だ。
「なんで?」
「なんでもだ」
やだちょっと!ただ疑問を口にしただけなのに超にらまれたわよ!
晴彦が怖いのですみませんと小さく謝って了承した。
まあいいかな。正直、高見沢と今顔合わせるのつらいし。
少し、自分の気持ちを整理する時間がほしい。
「大丈夫だ、千里」
「え?」
「俺はな。浮気攻めは大嫌いだがな、ハピエンは好きなんだ。お前もだろ?」
いきなり俺の頭をぐしゃぐしゃと乱暴に撫でてそう言う晴彦。
なになに、なんなの。そりゃ俺も浮気攻めは大嫌いでハピエンは好きだけど。
「うん、まあ。浮気攻め健気受けでさ、受けを失って浮気が超反省して受け君をなんとかもう一度手に入れようと必死になってのハピエン大好きだけどね。」
自分のせいで信用もしてもらえなくて頑なに閉じこもってしまった受け君に土下座したり公衆の面前で大告白したり、受けくんの為に慣れない弁当作ってあげたりとか。
『受けLOVE』
とか鞄に書いたり受けの写真を常に持ち歩いてことあるごとにそれにキスしたり、名無しで毎日一言たわいのないメッセージ紙に書いてそっと受け君の机とかにいれといたりとか
…あれ?一歩間違えばストーカー?
まあいいか。
受けくんに意地悪した浮気相手たちが完膚なきまでに敗北を味わったり。
今までと逆に超嫉妬したりとか束縛したりとか鼻血でるわ。
「放送で愛の告白とかもいいよね。俺そんなんされたら何でも許して受け入れちゃうよ」
「キモイ」
人の幸せ妄想をズバッと一言で切り捨てられた。ひどいわ、晴彦ちゃん!話振ってきたのそっちのくせに!
でもさ、
「晴彦、京也様以外のシチュに興味なんかあったっけ?」
「まあな」
空になったお盆を手に立ち上がって寝室を出る晴彦の背中を疑問に思いながら見送った。
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